ジンチョウゲ(花)
若い頃、住んでいた町ではジンチョウゲが咲く
のは2月下旬から3月上旬ごろでした。
今住んでいる町では、3月下旬から4月上旬。
丁度、1ヵ月遅れです。
そもそも常緑樹のジンチョウゲにとって、この
寒く乾燥する地方は、厳しい環境です。
日本へ渡って来たと言われています。ツヤツヤ
とした葉は水分をたっぷりと含んでいる証拠で
温かい湿潤な気候で育つ樹木の象徴です。
春、気温と湿度が急上昇して来ると共に花を開
き、甘く気怠い香りを周囲に漂わせて春の訪れ
を周囲に知らせる花です。
本来、栽培に向かない当地にも少しずつジンチ
ョウゲが増えているのは、この香りが春を待ち
望む気持ちを代弁しているからではないか、と
私は想像しています。
松任谷由美さんの「春よ、来い」で見事に表現
されているジンチョウゲの咲く情景は、関東地
方を中心としたものだと思われます。しかし、
歌というものは、人々に自分の庭でも同じよう
なイメージを再現したいと思わせる、不思議な
力を持っているようです。