チゴユリ(花)
以前は雑木林の下草としてたくさん見かけた
チゴユリも最近は珍しい花となりました。
大きな原因は、雑木林の乾燥化です。
普通、雑木林は木々の落ち葉が、何年にも渡
って降り積もっているため、地面は落ち葉が
ミルフィーユのようになっています。
そのため、大量の落ち葉は、水分を含んで雑
木林全体をしっとりとした空気で包んでくれ
る役目を果しています。
ところが、近年の雑木林は、落ち葉の層が薄
く、硬い土が露出している所が多く見受けら
れます。特に、公園という名称で管理されて
いる林は、その傾向が顕著です。
多分、管理を任されている人々は、コンクリ
ートで埋め尽くされた公園と同じように、雑
木林も落ち葉がないことが正しい姿だと思い
込んでいるのでしょう。せっせと掃き集めて
は落ち葉をゴミとして処分してしまいます。
チゴユリは、小さな1㎝ほどの白い花をうつ
むき加減に咲かせます。種と根から繁殖する
のでフカフカの落ち葉が厚く積もった場所で
あれば大きな群落を作れるはずです。落ち葉
は、ゴミではなく山野草たちの大事な寝床だ
ということを管理する人々がもっと認識して
くれたらなぁ~と毎年ため息交じりに思うの
です。