オニドコロ(雌花)
夏の終わりから咲き始めたオニドコロは、今
の時期花と若い実が共存しています。
実のなるのは雌株で、小さな花だけが房状に
つく雄株とは雌雄異株のツル性の植物です。
雌株の雌花が受粉すると雌花の下の部分が段
々と膨らんで平たい軍配状の実になります。
この実は、冬になるまで長い間残っていて絡
みついた宿主にぶら下がったまま乾燥してい
きます。果実の中には薄いハトロン紙のよう
な素材で出来た種が入っていて風であちらこ
ちらに飛ばされて広がる仕組みになっていま
す。
オニドコロは、ヤマノイモ科で食用に出来る
ヤマノイモにそっくりです。期待して残念な
思いをする人も多いようですが、見分けるポ
イントがあります。秋になるとヤマノイモの
ツルにはムカゴと呼ばれる小さな芋がつきま
す。よく観察してムカゴがあればヤマノイモ
です。ツルを辿って地下を掘るとヤマノイモ
を収穫出来るでしょう。但し、大きなイモか
小さなイモかは掘ってみてのお楽しみです。
オニドコロには、ムカゴが出来ません。でも
晴天の冬の日に真鍮色に輝くドライフラワー
のオニドコロは、それはそれで美しいものだ
と私は思うのです。