セイタカアワダチソウ(花)
セイタカアワダチソウの花に近寄って、密集
した花を観察するとキク科の植物だというこ
とがよくわかります。1つ1つの花は小さな
キクの形の花の集合体です。山吹色に近い黄
色はすっかり寂しくなった秋の野山を明るく
彩っています。
セイタカアワダチソウは、花粉症の原因とな
るブタクサと混同され、憎まれてきました。
花粉症の原因になる植物は、風によって花粉
を飛ばし受粉する風媒花のはずなのにセイタ
カアワダチソウは虫媒花にもかかわらず罪を
着せられていたのです。
近所の田んぼの中には、もう何年も使われず
雑草が茂るままになっている休耕田がありま
す。毎年セイタカアワダチソウは、荒れ果て
た田んぼを秋の一時期だけ美しい花畑に変え
ています。花が終わればキク科共通の綿毛を
つけた種を飛ばすため、爆発的繁殖力で一面
の花畑に変えてしまうのです。
ところが、最近この繁殖力に陰りが見えてい
ることが報告されています。増えすぎたセイ
タカアワダチソウが自ら出す毒素で勢いを失
いつつあるというのです。
自然は、環境さえ整えてあれば自分たちで絶
妙なバランスを保っているものです。人間が
余計なことをしないのが、1番大事なことな
のかもしれません。