ツツジ(霜華)
庭のツツジの葉に毎日のように霜の花が咲く
ようになりました。
空気中の水分が凍って葉の表面に付着するこ
の現象は氷の結晶の一種です。
一枚一枚の葉に丁寧に粉砂糖をまぶしたよう
についた細かく白い氷は朝刊を取りに出た私
の目をしばし釘付けにします。
多くの植物は葉に霜がつくと活動が低下して
中の水分が凍り、栄養分が滞って枯れてしま
います。落葉樹が秋になると葉を落としてし
まうのはそれを防ぐための予防手段の一種で
す。一方落葉しない針葉樹は、葉の表面を蝋
のような物質で覆うことによって中の水分が
凍るのを防いでいます。それぞれが工夫して
寒さから身を守っている様子を見ると植物の
知恵にはほとほと感心させられます。
春に花を咲かせる一般的なツツジは、常緑性
です。葉が薄く触るとカサカサと乾いた感触
なのは、冬の間枝からの水分の供給を極限ま
で絞って身を守っているためです。
ドライフラワーのようになった葉に朝日が当
たって粉を葺いたように光る霜華は、冬の朝
だけに見られる束の間の美です。