フクジュソウ(満開)
小さな黄色の点々から始まったフクジュソウ
が、ほぼ1ヶ月かけて満開になりました。
毎日凍えるように寒い中、何度も雪の下にな
りながら一心に花を咲かせ続けてきました。
フクジュソウは、蜜を持たない植物です。そ
のため甘い蜜で虫たちを集めて受粉を手伝っ
てもらう作戦は使えません。その代わり、こ
のパラボラアンテナのような形の花の中心に
太陽の光を集め、温かい場所を提供すること
で虫たちに出会いの場を作っているのです。
3月になり、ようやく少しずつ寒さが和らい
できました。雪かきによって出来た雪の小山
も日に日に消えています。フクジュソウもも
う雪に押し潰される心配はないでしょう。
雪が積もらなくなる頃、フクジュソウは葉を
広げ始めます。春の日差しを今度は広げた葉
に受け止めて根に来年までのエネルギーを蓄
えるのです。
早起き者のフクジュソウは、梅雨入り前に地
上から姿を消してしまいます。地上のほとん
どの生き物が、これから命の最盛期を迎える
という頃、長い長い眠りに就くのです。
誰かの物を奪ったり、誰かとぶつかったりし
ないフクジュソウの生き方。
コウイウモノニ、ワタシハナリタイ。