チダケサシ(花)
雑木林の山裾や半日陰の土手のような場所を
好んでこの時期チダケサシの花が、見られま
す。
通常花が見られるのは、梅雨末期のほんのわ
ずかな間です。ジメジメした場所を好むため
望遠レンズのない私は近づいて写真を撮るの
に難儀しますが、今年は手頃な場所を見つけ
ました。とは言っても朝から靴をビショビシ
ョにしてなんとか近づいたのですが、丁度盛
りの時期に出会えた薄いピンクの花は細い茎
に細かい花をびっしりつけています。
チダケサシはチチダケというキノコを持ち帰
る際、この茎に刺したことからこのような名
前がついたと言われています。茎の長さは50
㎝前後でほぼ真っ直ぐなため、何かを串刺し
にするには丁度良い感じです。葉は、根元付
近に集中しているため茎を利用するためにわ
ざわざ取る必要がないのも串代わりにはうっ
てつけだったのでしょう。
チダケサシの花を見ていてどこかで見たこと
のある花だなと思っていたら、園芸品種のア
スチルベという花とそっくりなことに気が付
きました。それもそのはずアスチルベは、チ
ダケサシやその仲間をもとにヨーロッパなど
で改良された植物なのです。
雨が多い夏は、憂鬱。でも、そのお蔭でチダ
ケサシに遭えたのかもしれません。