クサギ(花)
今年もクサギの甘い香りが漂い始めました。
花や実がついていない時のクサギは、地味で
目立たない木です。ほとんど誰にも関心を払
われず雑木林の端に茂っています。
ところが晩夏、小さな桜貝のような蕾が開く
とより一層淡いピンク色の花に変わります。
中からは長い雄しべが伸び、チョウやガの仲
間が訪れるのを待っています。
日本では、地味なクサギをわざわざ植えるよ
うな人はほとんどいません。都会でもちょっ
とした空き地や取り残された林の一角などで
いくらでも見ることの出来るありふれた樹木
だからです。ところが、欧米ではこの木を観
賞用として楽しみクサギの名前の元となった
臭いもピーナッバターの香りに似ていると感
じているようです。そのため英名は、Harle-
quin glory bowerまたは、Peanut Bush といい
ます。
クサギの枝を折ると香る匂いを日本人は臭い
と感じ、臭い木=クサギとなったのに欧米の
人々にとっては不快な匂いではなく食べ物を
連想する匂いになる不思議。
日本では不名誉な名前になってしまったけれ
ど所変われば品変わる、とはこういうことで
しょうか?