クズ(花)
雑木林の周囲を歩いていると道に紅紫色の花
弁が、落ちているようになりました。
クズの花びらが散っているのです。
クズは、マメ科のツル性植物です。本来は、
荒地などに種の形で侵入して地面をはって繁
殖していきますが、この辺りは地面は徹底的
に草が刈られてしまうため周囲の木々にから
まって垂直移動したものだけが生き残ること
になっています。
高い場所へ逃れたクスは、なるべく日当たり
の良い場所を選んで伸びていき、花を咲かせ
ます。花は典型的なマメ科の形をしており、
花穂の下から順番に開いていきます。花が咲
くと一種独特の薬臭い匂いが漂ってそれによ
っても「ああ、クズの花が咲いている」とわ
かることもあります。
日本中至る所に生える植物なため、かつては
食用、薬用、衣料用、家畜の飼料と多岐にわ
たって重宝に利用されていたため今とは違っ
て憎まれ役ではありませんでした。
今でも山肌をクズが覆っていなければ雨の多
い日本列島は、もっと土砂災害が起きている
だろうと思うのですが。
敵視するのではなく、上手く取り込むことで
なんとかこの美しい花と共存していきたいも
のだと毎年のように思います。