ススキ(実)
秋風に揺れるススキの穂もすっかり綿毛になり
ました。
ススキは、夏の終わりからグングンと背を伸ば
し大きなものは大人の背丈を越えるものもあり
ます。広い草原から駐車場のようなちょっとし
た空き地でも土のあるところならどこでも生え
てくるので皆さんお馴染みでしょう。風になび
く穂は、たくさんの種の集まりであり、そのひ
とつ、ひとつが風に乗って新しい所で芽を出し
ます。
ススキが一面生える草原を放置しておくとそこ
には次第に乾燥を好む木々の種が風や鳥によっ
て運ばれてきて雑木林になってしまいます。私
がたまに行く散歩コースでも耕作放棄地だった
場所がすすき野になり、今はマツや低木の茂る
雑木林になりつつあります。その期間は、思い
のほか短くあれよあれよという間です。
ススキというとちょっとうら寂しい風景を思い
描きがちですが、自然の力は、人間が関わらな
ければ力強いものです。晩秋の日差しにきらめ
くススキの穂は、美しいだけでなく力強さを感
じる情景です。