野蚕(やさん)
雑木林には、春から秋の間は草が生い茂って
入っていけない道があります。そんな道も
冬のこの時期だけは通ることが出来るので
雪がほとんど消えたころ行ってみました。
一応、斜面には木段が組んでありますが、あ
ちらこちらから木が倒れかかっていたり、ツル
が垂れ下がっていたりして真っ直ぐには進めま
せん。天気が良い日だったのでいつの間にか
汗までかいて歩いていると目の前に野蚕の繭が
現れました。
野蚕は、野生の繭のことで、昨年見つけた天蚕
(てんさん)も野蚕の一種です。今は多くの野蚕
も人間が飼育して絹糸を取るようになっている
ようですが、たまに雑木林の中でも本当に野生
の蛾が作った繭を見かけることがあります。
この繭は、ヤマブキの枝先にぶら下がっていま
したが、繭自体はかなりボロボロになっており
よく見ると中に蛾のサナギが透けて見えるほど
でした。この辺りにヤマブキの花が一面咲き乱
れる頃サナギは羽化してくるのでしょう。
冬が苦手な私は、早く春が来ないかなぁと待ち
焦がれていますが、たま~に冬限定のお楽しみ
に出会うと一瞬だけ冬も良いものだ、と思うの
です。勝手なものです。