トチ(冬芽)
春の日差しに温められてトチの木の冬芽が
ピカピカ光っています。
あと少しするとこの中からトチの新葉が展開
してくるのです。
春先のトチの冬芽が光って見えるのはベタベタ
した粘液で覆われているからです。この粘液は
冬の冷たい乾燥した空気と虫などから新芽を守
る役目をしているといわれています。私たちが
クリームなどでお肌を保護するのと同じような
ものです。
トチは、ホオの木の葉の次くらいに、大きな葉
を持つ樹木ですが、寒い地方でもこの自前のク
リームで保護することによって葉が、痛むこと
なく春を迎えることが出来るのです。
トチの冬芽は、雨と暖かな日差しに何度も洗わ
れて日に日に大きくなります。葉が開く日が近
づくと本当に1日で様子が大きく変わります。
植物ではなく動物のようだなぁ~と思うほど動
きがあります。そしてある日、葉の塊を覆って
いた薄い皮が脱げて小さな葉と茎の塊が現れる
のです。皮が脱げてからの葉もドンドン大きく
なります。そして、ある一定の大きさに到達す
ると葉の生長は止まり、その後は花を咲かせる
準備に入ります。
散歩コースには至る所にトチの木が植わってい
ます。北国の気候に適応して生き抜いてきたト
チの木が思い切り葉を伸ばす日ももう間もなく
です。まだかな~とつい見上げてしまいます。