ヤマザクラ(花)
雲ひとつない快晴の空の下、ヤマザクラの花が
咲いていました。
葉がほぼ同時に開いて来るので簡単に見分ける
ことが出来ます。古くから日本にあるサクラで
江戸時代にソメイヨシノが生まれるまでは、サ
しました。
ヤマザクラの葉は最初、赤味がかった茶色をし
ています。花色は、ほとんど白に近いピンク色
で清潔感を感じさせる花です。山のあちこちに
点々と散らばって生えており、斜面の環境によ
って咲き出す時期が、バラバラなため、山では
4月から5月まで長い間楽しめるサクラです。
古くから親しまれている木なため、ヤマザクラ
は、用材としても日本人の生活に馴染みのある
ものです。今では、大木が少なくなり家具など
は大変高価なものとなりましたが、樺細工と呼
ばれるヤマザクラの樹皮を貼った茶筒などは、
今でも目にすることが出来ます。
山道を歩いていると、白い花びらが散り敷てい
る場所に出会います。そんな時、見上げるとた
いていヤマザクラの大木が頭上にそびえ立って
います。言葉を発するはずのないヤマザクラに
声をかけられたような気がして嬉しくなるのは
こんな時です。