モミジイチゴ(花)
モミジイチゴは、雑木林の日当たりの良い
入り口付近にたくさん生えている落葉低木
です。
春になるとサクラによく似た花をいち早く
咲かせて太陽のエネルギーを蓄えています。
周囲の木々が、まだ枝先に小さな葉や花を
少しだけ出しただけの中、モミジイチゴは下向
きではありますが、たくさんの花を枝一列に並
べて咲きます。
イチゴの仲間は、不思議な植物です。
私達が1粒だと思っているイチゴの1塊は、た
くさんの実の集合体です。食用イチゴの粒々は
退化して小さな実の痕跡は、表面の種に残って
いるだけですが、モミジイチゴの実は、まだよ
く見ると小さな粒々を肉眼で確認することが出
来ます。その小さな粒の中にはもちろん種が入
っています。
他の木々が葉を広げる前に太陽を燦々と浴びて
蓄えたエネルギーは6月頃になるとオレンジ色
の美しい実となって枝先に下がります。周囲は
すっかり緑の藪となって人間は容易に近づけな
い場所となります。それでも子供の頃の私は、
モミジイチゴのトゲで傷だらけになりながら実
を取っていました。モミジイチゴの生き残り戦
略も、子供を敵にすると少々不利です。