エゴノキ(花)
今の時期、雑木林の至る所ではエゴノキの花
を見ることが出来ます。
白い小さな花は、鈴なりに咲き、薄暗い林の
中でそこだけ淡く発光しているように見えま
す。
エゴノキの足元は、先に咲いた花が散り敷い
ており、しばらく立って見ている間にも雫が
落ちるように花が音もなくポトリ、ポトリと
落ちていきます。鳥のさえずりしか聞こえな
い林の中で静かに、絶え間なく雨だれのよう
なリズムで続いています。
雑木林を出て、家に向かって住宅街を歩いて
いくと薄いピンク色のエゴノキを植えている
庭があります。 後で調べるとベニバナエゴノ
キのピンクチャイムスという園芸品種のよう
です。自生のエゴノキは、ほぼ白い花だけで
すが、秩父の山中で偶然発見された木の種か
ら品種改良され、近年大変、人気があるそう
です。
日本中の雑木林に普通に見られるエゴノキで
すが、縦に長い日本列島では4月下旬から6
月までと地域によって見られる時期が異なり
ます。そのため、花に寄せる想いも人それぞ
れとなるのです。