クロタネソウ(花)
ついこの間まで小さな苗だったクロタネソウ
が、花を咲かせ種を付け始めました。
秋に種を蒔き、冬の間は5㎝ほどしかない苗
は、雪が積もってじっと耐えて枯れることは
ありません。 葉も茎もか細いのにこの強さは
どこに潜んでいるのだろう?といつも不思議
に思います。
5月に入ると急速に背丈を伸ばし始め、蕾が
見え始めましたが、そこからまた花が開くま
でしばらくかかります。相変わらず、葉も茎
もヒョロヒョロですが、強風に吹かれても倒
れたりせず、引っ張っても根がガッシリ張っ
ていて簡単に引き抜くことも出来ません。繊
細な外見とは大違いです。
5月下旬、ようやく開花が、始まりました。
花は、ここでも一気には開きません。一日毎
に花が、膨らみ、徐々に開くのです。そして
花色も日に日に変化してきます。
この株は、最初白い花でしたが、段々とピン
ク色の部分が多くなり、中心の雌しべの部分
が大きく膨らんで種を作っています。
花によっては一気呵成に一生を終えてしまう
ものもありますが、クロタネソウはそれとは
正反対です。半年以上の月日をかけてじっく
りと地中に根を張り、一日一日を濃く大切に
生きて次世代に命をつなぐのです。