ツユクサ(花)
秋雨前線の北側にすっかり入ってしまったた
めに朝の気温は、16度前後となりました。先
週の暑さがウソのように寒いです。
真夏の間も涼しい日陰を選んで咲いていたツ
ユクサの花は、雨のシャワーを浴びて生き生
きとしています。
ツユクサという響きから梅雨草の漢字を連想
しますが、元はツキクサ(着き草)というの
が語源ようです。この花の汁が、衣服にこす
れると着色し易いところからついた名前のよ
うです。色がついても水で洗えば簡単に落ち
てしまうので心配はいりませんが、この現象
を利用して昔は、友禅染の下絵を描くのにツ
ユクサの汁を使っていたそうです。洗えば消
えてしまう手芸用のペンは現代でもあります
ね。原理はきっと同じなのでしょう。
青い花びらがくっきりと際立つのは、黄色い
雄しべがあるお蔭。アサガオと同じように朝
咲いて昼頃には萎んでしまう儚さ、色がつい
ても水に流されてしまう弱さ、万葉の時代か
ら静かに日本人に寄り添って来た野草です。
冬が来て地上からツユクサが、消えてもまた
来年再会出来ることを当然と思っている私た
ち。いつまでもこの青の美しさが、続くこと
を願って止みません。