ホトケノザ(花)
風さえなければこの季節の光の透明度は1年
で一番高い、と私は勝手に思っています。そ
のため、同じホトケノザの花でも早春の小さ
な陽だまりで咲いている花の色は冴え冴えと
して見えます。私の目だけかもしれませんが
そのよう見えるのです。
先日、久しぶりにホトケノザの花が咲いてい
るのを見ました。まだ地面に這いつくばるよ
うな草丈で、まばらに開いたストロー状の花
弁はとても小さなものでしたが、色だけはや
はり透き通ったピンク色でした。
ホトケノザは、早春から春の終わりまで長き
にわたって咲き続ける花です。なかには夏だ
け休んで秋にも咲いている個体もあります。
ピンク色から紫色を帯びる花は、みんな同じ
ように見えて、意外と生えている環境によっ
て微妙に色を変えています。
今はまだ小さなホトケノザも春が近づくにつ
れてグングン大きくなってきます。野原が、
草丈の大きな植物に覆われる前にいち早く繁
茂して春を謳歌します。
暖かな日差しを集めて咲いているホトケノザ
の美しさは、春まであと少しの辛抱だ、と励
ます力を持っているように感じます。