フジザクラ(花芽)
昨年4月10日頃に満開を迎えたフジザクラ
は、まだ小さな花芽の状態です。
それでもここ最近の水分の多い雪から水を
吸い上げるように、少しずつ少しずつ膨ら
んでいます。
サクラの仲間は、基本的に水が好きです。
河川敷に桜並木が多いのもサクラの特性と
人々が思いっきり広い場所でお花見を楽し
みたいという利害が一致したためと思われ
ます。
冷たい北風が吹く真冬のサクラは、花芽も
葉芽も枝にピッタリと寄り添って貼りつい
ています。少しでも風から身を守ろうと懸
命に工夫して過ごしているのでしょう。冷
たい乾いた風は、木にとっても天敵ですか
ら。
二十四節気の雨水の前後から花芽は枝から
立ち上がるように目立ち始めます。日本列
島の西の方からは、すでにサクラの仲間の
開花便りが聞こえ始めています。桜前線の
サクラは、ソメイヨシノが基準ですがサク
ラの仲間は各地でバラエティに富んだ進化
を遂げています。日本が世界に類を見ない
ほど水に恵まれた国土であるからこそ、た
くさんの種類が生まれたのでしょう。
日本人がサクラを愛してやまないように、
サクラも日本という国を愛してくれている
に違いない、と私は信じているのです。