イタチハギ(花)
昨年は開花前に草刈り隊の餌食になって花が
見られなかったイタチハギの花が、今年はま
た見られました。
ほとんど黒に見える濃い紫色の花穂を枝先に
何本も付き出してバス通りの植え込みの間に
繁茂しています。昨年すっかり刈り取られた
と思ったのにそんなことは夢だったかのよう
に元の状態に復活しています。
葉低木です。道路開発などで一度荒れた山の
斜面などに植えられたものが日本全土に広ま
っています。日本在来の生態系を破壊するお
それがあるということで侵略的外来種ワース
ト100に選定されていますが、一方で緑化樹
木として有用であるとして一段緩い規制しか
受けていないため殖えて続けています。
マメ科の植物は、耐暑性、耐乾性に優れてい
るため周囲がアスファルトに塗り固められた
場所でも平気で繁殖します。便利さと引き換
えに失ってしまった緑をこれまた簡単に取り
戻そうと思った時にうってつけの存在だった
のがイタチハギなのです。
何かを得るために何かを失うのは世の道理。
本当に大事なものが何なのか、将来を見通せ
る眼鏡があったらいいのに、と思う時があり
ます。