ナツツバキ(花)
いつもは梅雨の間に咲くナツツバキの花が、
今年は梅雨が明けてから咲いています。
名前にツバキとつきますが、ナツツバキの花
びらは、ツバキに比べるとだいぶ薄く繊細で
す。おまけに一日花のため次の日には花ごと
ポトリと落ちてしまいます。しかし、気温が
高く湿度も満ちている季節のため、落ちても
次々と花が開きます。
ナツツバキの原産地は、日本から朝鮮半島に
かけてといわれています。冬から春にかけて
花が咲くツバキとは違い、落葉するため葉は
薄く明るい緑色をしています。厳しい時期は
無理せず、さっぱりと葉を脱ぎ捨てて裸木で
過ごし春になると急速に成長を始める様子は
なんだか清々しく感じられます。よく見ると
葉や蕾には細かい産毛が生えており、雨の季
節に適応した機能を備えていることがわかり
ます。産毛は雨を弾き、葉や蕾が腐ることか
ら守っているのです。
自生しているナツツバキは、20mもの高さに
なるものもあるそうです。ナツツバキの清楚
な花は、冬とは真逆の気候になる夏の湿潤な
日本の山地に良く適応しているのだ、という
ことを教えてくれるのです。