オニドコロ(雄花)
夏から秋の初めにかけてオニドコロは、花を
咲かせます。
雌雄異株であるオニドコロは、雄株には雄花
の集団である雄花序をつけ、雌株には雌花序
をつけます。
花といっても両方とも薄緑色の小さな花なの
で興味がない人は気づかずに通り過ぎてしま
うほど地味な花ですが、この場所ではたくさ
んのツルがからみあって大きな集団を作って
いたのでかなり目立っていました。雄花は、
花が終わってしまうと枯れてしまう運命です
が、これほど集まると美しいものだなぁと思
いました。
花というと多くの人は花屋さんで売られてい
る色鮮やかなものを思い浮かべるかもしれま
せんが、山野では地味なものも多いです。緑
色のあふれる夏の野山で更に緑色の花をつけ
て意味があるのだろうか?と思うのですが、
オニドコロの見せ場は冬の真鍮色に枯れた実
なので夏は目立たなくても良いと割り切って
いるのかもしれません。
オニドコロは、昔はお正月飾りとして飾って
いた地方もあるそうです。髭根が多い根茎が
翁を思わせるということで長寿の象徴とされ
たそうです。
冬の弱い光を受けて渋く光るオニドコロの準
備は、晩夏から始まっています。