ガマ(実)
今年はもうガマの穂が立派に完成していま
す。
この1つの穂の塊におよそ35万個の種が格
納されていると、ものの本には書かれてい
ます。種自体の大きさはタンポポの種と大
差ないくらいですが、穂の中で綿毛が折り
たたまれてギュウギュウ詰めになっている
ため30㎝前後の穂の中にたくさんの種を入
れておくことが出来るのです。
ガマの穂は、十分に乾燥すると風などの刺
激でも穂が弾けて空気中に種を放出し始め
ます。一度一部分から種が出始めると綿毛
がミルミル膨らんで次から次へと種が出て
きます。
私の住む山から下って行くと周囲には点々
と沼や池が散らばっています。ガマは、こ
れらの沼や池の中でも日当たりの良い穏や
かな場所にたくさん茂っています。本当は
夏の様子も観察したのですが、夏は草が茂
り過ぎてとても近づけない所なので遠くか
ら眺めるばかりです。
ガマは漢字で書くと蒲。古くはガマの穂の
綿毛を布で包んで用いたことから蒲団と書
いてフトンと読みました。冬に向かって日
に日に気温が下がる季節となり、ガマの綿
毛の蒲団はさぞ温かったのだろうなぁ~と
想いを馳せています。