淡々と・・・

淡々と過ぎていく日々、心にとまったひとこまを写真と短文で綴っています。

ラッパ水仙(黄花)

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昨年より少しだけ早く咲き始めた小型の

ラッパ水仙

前に建つ家の影になってしまう場所ですが

暗い日陰を明るくしてくれています。

日々コロナウィルスの影響で何かといつもの

生活が送れなくなっています。

ニュースなどを見ると、心がザワザワとして

必要以上に不安になってしまったりします。

いつの間にかいつもの生活があたり前だと

思い込んでいた自分の甘さに気がつかされ

ます。

いつもの生活が常に綱渡りのように不安定な

毎日の連続であって一度バランスが崩れれば

あっという間に滞るもろいものだということを

突きつけられるのです。

悪いニュースはたくさんあります。

でも、庭に水仙が咲くような心を照らす明るい

ニュースもたくさんあるはずです。

いつもの生活じゃなくても黄色いラッパは

春の到来を高らかに告げてくれているのです。

スミレ(花)

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 一日中吹き荒れた春の風。

気象現象が年々激しくなっているのは単に

地球温暖化のせいばかりではないような気が

して時々不安になります。

学校で習った程度の理科の知識で考えても

長い長い地球という惑星の歴史からすれば

今の人間の暮らしは吹けば飛ぶような短い

時間で、竜巻のような強風が吹けば我が家も

あっという間にバラバラになるでしょう。

ため息をつきながらフッと足元を見るとツツジ

の茂みの下にいつの間にかスミレの花が咲いて

います。

こんなに風が強くても身を低くして風の抵抗を

受けないように咲いている。長い進化の過程で

春という気象条件の激しい季節に適応した姿。

アリの巣に種を運んでもらうために種に蜜を

まとわせる戦略。

人間は何かに目がくらんで大事なことを忘れて

いないだろうか?強く生きるということの本当

の意味をスミレは、教えてくれているよう

でした。

ヒヤシンス(花)

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ヒヤシンスは庭で咲いている時はほとんど

香りを感じませんが、玄関など狭い空間に

飾ると実は強い香りがあることに気がつき

ます。

一塊だった蕾がすーっと伸びて一本の茎に

たくさんの花がバラバラにほどけるように

咲いてきます。

水耕栽培の場合は、その頃には上が重くなって

転倒してしまうこともしばしばです。充実した

大きな球根の場合は1本目が終わると横から

2本目の茎が伸びてきて小さな花がおまけの

ように楽しめる場合があります。ちょっぴり

得した気分になる時です。

水耕栽培の花が終わってしまったヒヤシンスは

すっかり疲れ切ってしぼんだような姿になり

ます。秋から半年近くかけて一所懸命花を咲か

せるためだけに生きてきた姿は植物でもどこか

心を打つものがあります。思わず「おつかれ

さま」と声をかけたくなる瞬間です。

幸い我が家には狭い庭があるので花が終わった

球根は庭に埋めてあげます。すると土の中から

養分を吸収したり、自分の葉で光合成したり

して新しい球根が出来て、また来年小さな花が

見られます。そんなことの繰り返して今の季節

は、ミニヒヤシンスの花盛りです。

ガーベラ(黄)

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お彼岸の中日なのにものすごい風が吹いて

います。

我が家にはお仏壇はありません。

父も母もたくさんの兄弟姉妹の中の下の方

なのでご先祖様を受け継ぐ係は免除されて

いるようです。

特定の宗教も信仰していないので小さな神棚と

その下に父方の祖父の写真が飾ってあるだけ

です。

毎朝朝食前に家族それぞれが準備が出来たら

手を合わせて1日の無事をお願いします。

お彼岸やお盆の時は生花と果物をお供えし、

たまに頂き物があるとお供えしてからお下がり

を頂くという方法で過ごしてきました。

お供えの花はたいてい母が選んできますが、

今回選んだ色合いがひときわ地味な色合わせ

だったので横に並んでいた洋花から私が黄色い

ガーベラを加えることを提案しました。

せっかく春になったのだから祖父にも明るい花

で春が来たことを伝えたかったのです。

亡くなった人にお供えする花が地味じゃないと

いけないという決まりはないと思ったので。

80年以上前に亡くなって会ったこともない祖父

です。もう賑やかな花をたくさん飾っても

時効ですよね、そんなことを思いながら黄色い

ガーベラを加えてしまったのです。

 

tantan10.hatenablog.com

ウメ(花梅)

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遅咲きの花梅がようやく咲いてきました。

梅には実を食用にすることを目的にした実梅と

花を愛でることを目的とした花梅があります。

我が家には梅の木が2本あって、1本は小梅で

実梅。もう1本が薄紅色で八重咲の花梅です。

小梅の方は一般的な白い花で実った果実は、

毎年梅干しにしています。

花梅は、どうやらアンズとの交配種のようで

花はきれいですが、大きな実が少し実るだけで

梅干しにしてもあまり美味しくはなりません。

でもせっかくなった実をただ捨ててしまうのは

忍びないので醤油に漬けておくと梅の酸味で

ポン酢のような調味料が出来るので鍋物などを

食べる時、タレとして利用しています。

青空の下、薄紅色の花が風に吹かれて咲いて

いる光景は清々しく明るい気持ちになります。

梅の薬効でコロナウィルスを撃退してもらって

早く安心して春が楽しめるようになることを

毎日切に願っています。

パンジー(花)

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私の地方は、まだまだ寒いですが、3月に

なって花の写真が増えているのは何だかんだ

言ってもやはり春なんですね。

パンジーは、私が幼い頃はまだ三色スミレ

呼ぶ人も多かった花です。

最近は品種改良が進んで、もうない色はないと

言って良いほど色々な色があります。

花の形も一重から八重までバラエティー豊か。

園芸店で眺めている間に時間だけが過ぎて

結局買わずに帰ることがしばしばあります。

野に咲くスミレとは全く違うボリューム感に

ちょっと気後れしてしまうほどです。

本当にスミレさん?と聞いてみたくなるほど

豪華なパンジーもあったりして。

かろうじて薄紫色の花を見つけてこれくらいの

色なら野生のスミレにもあるかもと思って

写真におさめた一枚。

でも時間をおいて眺めるとなんだかちょっと

寂しいなぁと感じてやっぱり黄色の方が

良かったかな?とちょっと後悔しています。

私の場合、花選びは洋服を選ぶよりも難しい

かもしれません。

今日の空25

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晴れればもれなく強風がついてくるといった

3月の空。

雲はとどまることを知らないように次々と形を

変えて過ぎ去っていきます。

絵心があれば絵を描き、楽器が演奏出来れば

音楽でこの空を表現してみたいけれどどちらの

才能も持ち合わせていない私は写真にこの一瞬

を残すだけです。

3月は慌ただしい季節です。その上、今年は

コロナウィルスの大流行でトイレットペーパー

までなくなる騒ぎ。昨日買い物に行ったレジの

人に聞いてみたら入荷はしているけど時間は

まちまちとのこと。老人2人を引き連れて

超低速な我が家に買えるのはいつのことか?

幼い頃、父がオイルショックの時、押し入れに

トイレットペーパーを大量に買い込んで以来

我が家は備蓄は結構していた方だと思います。

そのお蔭で東日本大震災の時も慌てることなく

なんとか切り抜けることが出来たのに、今回は

来週買いに行こう、と思っていた矢先に棚が

空っぽになってしまったという不運。

マスクは作れるけどトイレットペーパーは流石

に作れないし、大腸がんの後遺症でトイレが、

近い父には慣れたペーパーを使わせてあげたい

と思うけれど、日々減っていく在庫にドキドキ

するばかり。

強風に巻き上げられる雲と同じようにあっちへ

飛ばされこっちへ流され日々翻弄されている私

なのです。

水仙(蕾)

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歩いているとあちこちで色々な球根の芽が、

元気よく出ているのを見かけるようになり

ました。

もうすぐこの小さな芽に花が咲くと思うと

楽しみでワクワクします。

この位の芽は見た目が玉ねぎとよく似ていて

いつも食べているネギ類は、紛れもなく球根

植物の仲間なのだなぁと実感します。

春に花が咲く球根には種類が、たくさんあり

花の形は様々ですが、共通の特徴があります。

それは一度寒さに当たらないと花芽がつか

ないということです。

花屋さんで季節より早く売られている花達は

球根を一度冷蔵庫などで休眠させてその後

温室で育てられているそうです。

私の住む地域は冬の屋外は冷蔵庫より寒いので

球根たちはバッチリ冷やされています。

人間も植物もヌクヌクと暖かいばかりでは

だらけてしまって成長しないということかも

しれません。自分自身をふり返ってみても

イヤイヤながらも厳しい状況にあった時の方が

人間的には成長していたような気がします。

球根たちの花が咲いたらそろそろ私も自分に

ムチを入れなくちゃと思うのでした。

十月桜(花)

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東京では桜の開花宣言が出たとニュースで

見ました。観測史上一番早いそうですが、

3月半ばの寒さにふるえている桜の花は痛々

しく見えました。

散歩コースの途中に十月桜の木があるのに

気付いたのは昨年の秋でした。十月桜は秋と

春の2回、花が咲くちょっと珍しい桜です。

花の大きさはソメイヨシノに比べるとちょっと

小型ですが、色はソメイヨシノより少し濃いめ

で一輪一輪が梅のようにゆっくり咲いていく

のでのんびりと楽しめます。

3日前、見に行くと春の花が咲き始めていま

した。今まで見た十月桜はお寺などに植えら

れて大事にされていた桜ですが、この桜は、

雑木林の端っこにあるヒョロヒョロの木なので

野生の桜なのかな?と想像しています。

この辺りに生えている桜は、公園などを除いて

山桜がほとんどです。十月桜は、山桜とマメ

ザクラを掛け合わせて生まれたそうなので、

この山でも偶然、そういう桜の結婚があった

のかもしれないないなぁ~と勝手に妄想して

楽しんでいます。

世界中に広まってしまったコロナウィルスの

せいで今年は花見の催しも中止が相次いでいる

ようですが、混雑とは無縁の山里でひっそりと

咲く十月桜はいつもと同じように静かに立って

いるだけです。

ウグイス

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やっとウグイスの初鳴きを聞くことが出来

ました。まだ上手に鳴けないようでちょっと

正調からはずれていましたが、 声は紛れも

なくウグイスでした。

前日、家から離れた藪の中からも鳴き声が

していたのでそろそろかな?と思って期待

していたのですが、家の中で聞くことが

出来るとはラッキーでした。

ウグイスが来たので暖かいのかな?と思って

新聞を取りに外に出ると家々の屋根は真っ白

に霜が降りていました。遠くの山並みもまた

白さを取り戻したように真っ白です。

北国の春三寒四温どころか五寒二温くらい

の割合です。

それでもヤブツバキの花はだいぶにぎやかに

咲いてきました。ヤブツバキメジロたちの

お気に入りのレストランです。群れでやって

来てはツバキの蜜を吸っていきます。

ウグイスとメジロは同じくらいの大きさで

メジロの方が羽色が美しいのでたまに両者を

誤認している人がいますが、見た目が良いのが

メジロで、声が美しいのはウグイスです。

今年の春は寒の戻りが激しく、ウグイスが盛ん

にさえずる季節が来るにはまだまだ時間がかか

りそうです。ウグイスが長閑にノビノビと

鳴く季節は、この地方が最も美しく過ごし易い

頃です。今年のウグイスが去年のウグイスと

同じ鳥なのかはわかりませんが、練習を積んで

また庭で美声を聞かせてくれるのを老親たちと

待っているのです。