今日の空58
時々青空がのぞいてもたちまちグレーの雲に覆
われて仕舞う今日この頃です。
散歩に出ると最初の20分くらいは寒さでソワ
ソワする感じです。自然と小走りになってし
まい、30分くらいするとだいぶ身体が温まっ
て快適になります。だいたいは、行きは下り
坂、帰りは上り坂なので後半30分は、帽子も
手袋も脱いでしまいます。
今週は最高気温が3度前後の予報が出ており、
一段と冷え込みそうです。いよいよ雪かぁ~
と緊張しています。雪虫が飛んでいるのを
何度も見たし、一昨日はみぞれも少し降った
みたいですが、降るよりも凍ることが怖ろしい
です。凍ってしまうとなかなか溶けなくなって
しまうので余計寒く感じます。特に我が家の前
の道は、日当たりがあまり良くないせいか他の
道より遅くまで凍った雪が残ります。
暖房の効いた暖かい部屋で次々と空から舞い降
りて来る雪を眺めているのは美しい光景です。
雪の研究で有名な中谷宇吉郎博士の「雪は天か
ら送られた手紙である」という言葉がもっとも
だと思えるのもこんな時です。でも美しいだけ
では生活は、成り立たないのが悲しいところ
です。
クチナシ(実)
今年もクチナシが実りました。
これからの季節、食品の乾物売り場もしくは
スパイス売り場に行くとクチナシの実が栗きん
とんの材料として並んでいます。
売られているのを見る度に、あの実も土に蒔い
たら芽が出るのかな?と妄想しています。我が
家にはクチナシはもう十分あるのでこれ以上
増やすつもりはないのですが、横に並んでいる
大豆や小豆も芽が出るそうなのできっと出るに
違いないと思っています。
クチナシの実で染めた黄色は混じりけのない
クリアーな黄色に染まります。布を染めても
本当に鮮やかな黄色です。人工染料がない時代
の布を作ったりしていたそうです。緑色は、
暖かい季節、自然界にはあふれている色ですが
色として定着させることが大変難しいのです。
緑茶をしばらく置いていくと茶色っぽくなって
しまうように緑は儚い色なのです。
梅雨時に花を咲かせ、真夏の太陽のエネルギー
をいっぱいに蓄えたようなクチナシの実には、
人智を越えたパワーが宿っているような気がし
ます。
ツクバネ(実)
すっかり殺風景になってしまった道をブラブラ
と歩いて父のお気に入りの池まで一人で散歩に
来ました。フッと気がつくと目の前に木の実が
たくさんぶら下がっています。
すぐにツクバネの実だと気付いてこんな身近な
所にあったのだ、と嬉しくなりました。
木々の葉が茂っている頃は、全く気付かなかっ
たのですが、羽子板遊びに使うツクバネに本当
に形も大きさもそっくりな実です。実物を見た
のは初めてで、木になっている状態は、羽根と
玉の位置が遊ぶ時とは逆なのだということも知
りました。
1つだけ実を頂いて家に帰って母に見せると種
を蒔いたら芽が出るかも、と期待していました
が調べるとツガ、モミなどの木に半寄生する低
木のため単独での栽培は難しいようです。若葉
や若い実は塩漬けにしてお正月のおせちに添え
たりもするとのことです。
冬の間は、池に行ってもコイたちは冬眠してし
まって姿を見せません。親たちは、散歩に出る
ことも少なくなり、余計体調が悪くなっている
気がします。ユニークなツクバネの実を見に行
こうと誘ったら少しは外に出てくれるかな、と
期待しています。
ハオルチア(オブツーサ)
お気に入りの多肉植物ハオルチア・オブツー
サは冬の朝の光を通して見るのが一番好きで
す。
コロコロとした葉は、水分を蓄えていて先端
の透明な窓のような部分が光を通します。
今は結構人気が出て園芸店だけでなくお洒落
な雑貨屋さんなどでも売られているのを見か
けますが、私が本で存在を知った頃はまだ珍
しく、マニアの方から分けて頂く方法しかな
くこの株も北海道の多肉植物マニアの方から
送って頂いたものです。
500円玉くらいの直径の株で成長も遅いので
なかなか大きくならないため心配しましたが
今年の春には子株もたくさん出て株分けする
ことも出来ました。
ハオルチアの仲間は、アフリカの砂漠が原産
で砂漠の土の中から先端の窓の部分だけをの
ぞかせて自生しているそうです。葉の形には
バリエーションがあり、先端が尖ったもの、
トゲのような毛があるのも、緑ではなく赤み
がかった葉や紫がかった葉のものなどもあり
ます。
寒さは苦手ですが、キラキラと光って見える
ハオルチアの窓をのぞいている間だけは冬も
良いかも⁈と思う瞬間です。
今日の空57
冬は、一日があっという間に終わってしまい
ます。夕方4時過ぎにはもう山の向こうに日
が沈んでしまうからです。
海辺や広い平野の中に家があれば水平線や地
平線に太陽が沈んでいくのが見えるのでしょう
が、私の家は山間部にあるので実際の日没時間
より早く暗くなり始めます。
暗くなり始めたばかりの薄暮の時間をマジック
アワーと呼ぶと知ったのはいつの頃か思い出
せませんが、心落ち着く時間です。
今の時期は、晴れていれば暗くなるにつれて
の頃に土星と大接近するそうで楽しみです。
目の悪い私は星座の星は、1等星くらいしか見
えませんが、惑星は明るい星が多いので眼鏡を
かければ簡単に見つけることが出来ます。
ただ、山の天気は変わりやすく雲がない快晴の
空も滅多にないので天体観測の条件は意外と悪
いのが残念です。
先日、はやぶさ2から分離されたカプセルが
帰還した映像をテレビで観ましたが、流れ星の
ようにきれいでした。人工的に作られた物体で
もあのように美しく光り輝いてコロナウィルス
の話題ばかりで沈んだ人々の心を一瞬でも明る
く点すことが出来るのは素敵なことだなぁと思
いながら束の間の天体ショーを楽しみました。
マンリョウ(実)
今年もマンリョウの実が鈴なりです。
艶のある緑の葉と赤い実はクリスマスカラー
を思わせますが、マンリョウの出番はその
一週間後のお正月です。
マンリョウと並んでお正月の縁起物として
センリョウがありますが、私の住む地方は、
寒さが厳しいせいかセンリョウは屋外では
上手く育てることが出来ず枯れてしまいます。
葉が寒さで焼けてしまうのです。花屋さんで
調達する場合は、センリョウの方が一般的で
手に入れやすいのですが。
は自宅の庭から、松は雑木林の中に自然に生
えた枝を少し分けてもらい、少しだけ買った
花を合わせてお正月の花としています。
昨年は神棚のサカキを買い忘れてしまったの
で今年はそれだけは忘れないようにしなけれ
ば!としっかりメモしています。何しろ忘れ
たからといっておいそれとは買いに行けない
場所に住んでいるのですから。
ツバキ(花)
田んぼの方へ散歩に行く途中に我が家で「花咲
か爺さんの家」と勝手に呼んでいる場所があり
ます。
家と呼ぶには小さく、トタン作りの小屋は、今
は誰もいませんが、私の両親が引越して来たば
かりの頃は、園芸好きの男性が庭仕事を楽しむ
場所だったそうです。
本来の住居は、別の場所にあったようですが、
暖かい季節は誰にも邪魔されずに庭仕事に没頭
していたようです。
それほど広くはありませんが、季節ごとの木や
花が植えてあり、山の斜面を利用した北風の当
たらない良い場所です。
その後、男性は亡くなったようで今は時々家族
の方が掃除に来るだけですが、私と両親は散歩
の行き帰りに柵の外から目を楽しませてもらっ
ています。
前日の寒さがウソのように今日は日中暖かくな
ったので母と田んぼに行く途中、また花咲か爺
さんの庭の前を通ると小さなお猪口のような花
をつけるツバキの花が満開でした。今年はいつ
もよりだいぶ開花が早いです。こんなに寒くな
ったのにたくさんの花を咲かせています。
この世から消えても誰かを楽しませることが出
来るなんて人間ってすごいなぁと思うのはこん
な時です。
今日の空56
雑木林の向こうから大きな月が昇って来るのが
見えます。木々の枝は影絵のように複雑に入り
組んでちょっと不気味な雰囲気です。
夜、月が出て来ると冷え込み、今朝は午前2時
くらいから寒くて何度も目が覚めました。
寒い時はいつでもつけられるように電気敷毛布
を敷いているのですが、温かくしてもなんだか
熟睡出来ませんでした。
カーテンのすき間から外をソ~っとのぞくと
前の家の車の屋根や家々の屋根が真っ白です。
雪かと思いましたが、道路は白くないので霜の
ようです。いつの間にか空は曇ったようで星は
全く見えず、凍るような寒さだけが周囲に漂っ
ています。
夜が明けて、お昼になっても寒さは厳しいまま
でした。弱々しい薄日が射すだけで一向に気温
は上がって来ません。
私より寒がりの父は、冬は一日中暑いくらい
暖房をつけたままです。年寄りだから寒いのが
こたえるだと思いますが、だったらなぜ年を取
ってからわざわざまた寒い場所に移住して来た
のかなぁと不可解に思います。少しでも故郷の
近くに住みたかったのでしょうか?
今は、兄弟姉妹もみんなそこにはいないのに。
スイカズラ(実)
冬の弱い太陽の光が当たるとスイカズラの実は
黒真珠のように光ります。
真珠というにはあまりにも小さく地味な玉です
が、磨いたわけでもないのに光沢があります。
種をそれなりにつけているスイカズラですが、
繁殖方法は種より根、またはツルから新しい
ツルを伸ばす方が圧倒的に多いようです。
新天地で新しい株を展開するためには、種は
移動に便利な形態をしていますが、一度根付い
た場所で勢力を拡大するには、気候の良い時期
に出来るだけ長くツルを伸ばし、葉をたくさん
つけて根をしっかり張る方が、時間を節約出来
るからなのかな?と推測しています。
種から発芽しても冬までに育つのは15㎝位が
精一杯ですから。
日に日に寒さが厳しくなっています。
忍冬(にんどう)という別名を持つスイカズラ
は、葉の形や質感を冬用に変化させて寒さに対
応しています。無理をせず、季節に合った過ご
し方を見習いたいものです。
サザンカ(赤花)
濃いピンク色のサザンカの花をあちらこちらで
見かける季節となりました。
白いサザンカの花はそろそろおしまいで、くす
んだ風景の中で咲いている数少ない色のついた
花です。とはいえ、サザンカは、人工的に植え
られたものがほとんどです。公園、生け垣、街
路樹など…。
この季節になると毎週のようにマラソン大会や
駅伝大会が開催されてテレビを観ていると沿道
でよく見かけるのもこの色のサザンカです。
長距離走が苦手な私から見ると、走っている人
は、みんな超人です。
高校生の頃、冬休み直前は全校生徒参加の校内
マラソン大会でした。そのため体育の時間は、
毎回マラソンの練習で嫌で嫌で仕方ありません
でした。女子は5㎞だったので、そのくらいの
距離は、今は散歩では平気で歩けるのになぜそ
んなに苦痛だったのかなぁと思います。きっと
どこかで見栄を張っていたんですね。
今考えると黙々と歩いて一番ビリでゴールを切
っても良かったのに、と思います。
あの頃の自分の耳元に「歩けばいいのよ!」と
言ってあげたいです。