今日の空60
ようやく歩道の雪もほぼ消えて安心して歩ける
ようになりました。
太陽の力は偉大だなぁとありがたく思います。
お昼過ぎになると上弦の月がぽっかりと空に浮
かんでいるのを見つけました。
冬の夜空に浮かぶ月は冷え冷えとして冷たい
印象を受けますが、昼間の月はどこかのんびり
しているように見えます。
寒気が一段落して夜も晴れている日が続いてい
出来ました。目の悪い私にはメガネをかけても
両者は1つの星に見えてしまいますが、双眼鏡
を使って見ると確かに2つの星が寄り添ってい
るのを確認出来ました。次の大接近は、今のと
ころ60年後だそうです。その頃、私はとっく
にこの世にはいないはずです。些細なことです
が、見られて良かったなぁと思います。
夜中に寒いのを我慢して窓を開けてみるとオリ
できます。秋の頃は、東よりにあった星たちが
今は、ほぼ南中に移動していることからも冬の
真ん中なのだということを実感するのです。
ホトケノザ(花)
久しぶりに気温が10度を越えると日向の雪は
たちまち溶け始めます。
散歩に出ると溶けた雪の中からホトケノザ
がごっそりと顔を出しているのを見つけま
した。
チラホラと花を咲かせているものもあり、
まるで春のようです。本来は、春の日照時間が
伸びたのを感知して急速に背を伸ばして花を咲
かせるのですが。
いますが、それはキク科のコオニタビラコの
ことを指し、これとは別のものです。花の色も
形も全く違うのに同じ名前なんて変ですね。
紫色のホトケノザは、葉の形が仏像の蓮華座に
似ていることから付いた名前のようです。
ようやく冬至が過ぎて太陽もまた少しずつ力
を取り戻しつつあります。1日、2日の違い
では大差はないかもしれませんが、1日1分
ずつ日が伸びると1ヵ月で30分になります。
遠い目標ではなく日々の小さな積み重ねを大
事にしたいものです。久し振りの日の光は私
の身も心も緩めてくれるのを感じました。
フユシラズ(花)
雪が降り出す前に撮っておいたフユシラズ。
今はすっかり雪の下に埋もれてしまってい
ます。
毎年歩道脇の小さなスペースに手入れして
いるわけでもないのに咲いてくれる花です。
今年も咲いたと思って写真に収めたばかり
だったのに、雪が降り出してからはズーっ
と埋もれたままです。
時々太陽が顔を出しても雪はチラチラと空
から降り続けています。溶けたと思っても
しばらくして外を見るとまた白くなってい
ます。
雪の下でフユシラズはどうしているのだろ
うか、と想いを馳せます。寒くないか、冷
たくないか、と。
雪にすっぽりと覆われてしまえばむしろ冷
たい風も当たらず、連日朝は氷点下になっ
ても露出しているより雪に守られているの
ですが。。。
調べてみるとフユシラズは、耐寒温度が、
-10~15度くらいまであり、むしろ暑い方が
苦手だということです。確かに夏が近づくと
種になっていつの間にか姿を消してしまい、
秋にまた芽をだしています。
自分が寒がりなので、つい自分を基準にして
物事を判断してしまいますが、時にはそれが
見当違いなことも多いのだなぁと思いました。
イロハモミジ(実)
すっかり葉を落としたイロハカエデの枝を丹念
に見ていくと所々、プロペラのような翼を持っ
た種が残っていることがあります。
これらの種は、風が吹く度に親木を離れて旅立
っていきます。あるものは、親のすぐ根元に着
地し、また、別のあるものは、強い風が吹いた
日に遠くまで飛ばされて全く違った環境で根を
張り始めます。
イロハカエデには、人間のような意志はないは
ずです。種は偶然落ちた場所で発芽しているだ
けです。多くは親木の根元でたくさん芽を出し
て、小さいながらも秋には親と同じように健気
に赤く紅葉しています。しかし、ポツンと芽を
出している若いイロハカエデを見ることがあり
ます。そんな木を見つけると、この木は冒険者
なのだなぁと思います。
風に乗って旅をしてたどり着いた先は、必ずし
も種にとって快適な場所ではないかもしれませ
ん。途中で枯れてしまうかもしれません。
小さな種の中に大きな勇気を見るような気がす
るのは、私が冒険に憧れているからなのかもし
れません。
今日の空59
久しぶりの青空の下、雪化粧した山が迫って
見えます。
2日間降り続いた雪は30㎝近くになりました。
昨シーズンは、サラッと積もる程度で1度も
雪かきをしなかったというのに。
雪が降ると空気はスッキリと澄み切って浄化
されます。始めるまでは嫌々でなかなか腰が
上がらなかった雪かきも、始めてしまえば寒
さも吹き飛び、むしろ暑いくらいです。
1時間ほどで玄関前と車の周囲を歩きやすく
片付けました。気温が上がらないので北側の
道路は凍りついたままです。
不便な所に暮らしていると都会で流行ってい
るミニマリストのような暮らしは難しいなぁ
と思います。一番近くにあった小さなスーパ
ーも3年ほど前に閉店してしまったし、一番
近いコンビニまでは歩いて20分かかります。
車で買い出しに行けるのも道路が除雪されて
凍りついていない時に限定されます。
コロナウィルス禍でリモートワークを経験し
た人々が別に都会に住まなくてもやっていけ
るよ、と言っているのをチラホラと耳にする
ようになりましたが、本当にわかっている?
と私は懐疑的です。
現実は、毎日晴れの日ばかりじゃないことを
身をもって体験している毎日です。
スギ(蕾)
雑木林は落葉樹が主ですが、所々スギやヒノキ
が混ざっていることもあります。
冬でも葉が枯れない針葉樹は、春に備えて既に
蕾をつけています。 この花が咲くと花粉症の
季節到来ということになります。花粉症が蔓延
してからスギは悪者のイメージが定着してしま
いましたが、本来は日本原産の針葉樹です。
古くから日本の風土に馴染んでいた木ですが、
第二次世界大戦後、建材不足を補うためやたら
と植林したためスギ花粉症を引き起こす原因と
なってしまったのです。
スギの木の周囲はたいてい薄暗くてヒンヤリし
ています。夏でも湿っぽく、なんとなく邪気を
祓う雰囲気を持っています。そのため神社など
の境内に植えられていることも多いです。
クリスマスが近づき、リースやスワッグなどに
もスギの枝葉が使われているのを見かけます。
私もスギとノイバラの赤い実で簡単なスワッグ
を作って自室に飾ってみました。ほのかに香る
スギの葉の清涼感がコロナウィルスを退治して
くれることを期待しています。
雪化粧
雪の止み間にモミジの並木道をのぞいて見ま
した。
つい1ヶ月ほど前は鮮やかな赤やオレンジ色
で埋め尽くされていた風景が、一変していま
した。白というよりブルーグレーのような空
間に変わっています。時々、青空がのぞくと
その青が雪に色をつけていくのです。
同じ場所なのに季節ごとに変貌する風景は日
本に四季があるためでしょう。
熱帯地域なら1年中緑色に覆われている木々
が舞台のセットのように色を変えていくので
す。日本以外の国に住む人々が見てみたい、
と思うのも自然なことです。
コロナウィルスが流行する以前は、ちょっと
した名所旧跡や駅などでたくさんの外国人を
見かけました。たまに自分が外国に来てしま
ったのかと錯覚してしまうほど。近所に住ん
でいる外国人の方も徐々に増えている感じで
した。ところが、今は、ほとんど外国人を見
かけることがなくなりました。あんなにたく
さんいた人々はお国に帰ったのでしょうか。
再び降り出した雪を合図に重い足取りで並木
道に別れを告げました。明日、車を使うため
に雪かきをしなければと思いつつ。
ユズリハ(積雪)
とうとう雪が積もりました。
と言っても例年並みだと思います。
昨年は、ほとんど積雪がなかったので今年は季
節の進み具合は順調ということでしょうか。
太陽が雲の向こうに見えていても一日中チラチ
ラと雪が降り続けています。道路の雪は車が通
ることで大体消えてくれましたが、普段はなん
てことのない地味なユズリハの木が雪をかぶっ
て大きく見えます。
ユズリハは、春に若葉が出た後、前年の葉が落
葉することから付いた名前で代々途絶えず家が
続くようにと縁起物として植えられる木だそう
です。ここの住宅街を開発した会社のサービス
なのか、どの家の庭にも漏れなく植えられてい
ます。常緑樹なので本当はもっと南方の木なの
でしょうが、雪の降るような寒い地方でも結構
順応しています。
寒い地方の木々は、針葉樹を除くとたいてい落
葉して裸木になっています。そのため、雪が降
り積もっても重みで折れてしまうことはありま
せん。むしろ雪化粧されて少し華やいで見える
ほどです。
ユズリハの密集した大きな葉はまともに雪を受
けています。そろそろ止んでくれないと折れて
しまうのではないか、と私は一人で気をもんで
います。
ミカン(実)
何十年ぶりに我が家に箱入りのミカンがやって
来ました。
今年は、父が毎日せっせとミカンばかり食べる
のでネットでお買い得品を見つけて注文しまし
た。遠い遠い愛媛県からはるばる到着です。
粒に大小、皮にスジのような傷があるものが混
ざっているのでお買い得だったのですが、味は
酸味と甘味のバランスも良く大満足です。
ウワサでは、愛媛には蛇口からミカンジュース
が出る所があると聞いたのですが、本当かな?
段ボール箱一杯に詰まったオレンジ色の粒々は
太陽の恵みそのものに見えます。
四国は4県ですが、まだどの県も行ったことが
ありません。昔、職場で一緒だった方が遊びに
おいで、と毎年年賀状で誘ってくださるのです
が、なかなかタイミングが合わずに今に至って
います。ユズさえ満足にならない北国から見る
と、四国は、周囲を海に囲まれて太陽の光をい
っぱいに受けている場所に思えます。
いつかミカンの花が満開の頃か、オレンジ色の
実がたわわに実っている頃、四国へ行ってみた
いものだ、とミカンを食べなら思っています。
フユザクラ(花)
日が射しているのにチラチラと粉雪が舞って
いるような天気の中、フユザクラの花が咲いて
います。
フユザクラは、十月桜とも呼ばれる春と秋の年
に2回花を咲かせる桜です。年に2回といって
もキッチリ2回に分けられるわけではなく植わ
っている環境によって秋から春にパラパラと断
続的に咲く木もあれば、真冬は休んで春にまた
咲き出す木もあります。ソメイヨシノなどに比
べると花は小型で薄いピンク色をしています。
このフユザクラは、雑木林の端っこに植わって
いますが、人工的に植えたものなのか、それと
も自然交配で生えてきたものなのかは謎です。
人通りの少ない道に面してポツン、ポツンと
咲いているので桜が咲いていること自体、
気がついている人がいるのかどうか。。。
以前住んでいた近くのお寺の門前にもフユザク
ラの木がありました。大きなお寺ではありませ
んでしたが、季節ごとの花木が揃ったお気に入
りの場所でした。きちんと手入れされていたの
に出入りも自由でした。
今年もあのフユザクラは咲いているだろうか、
旧友を懐かしむように思い出しています。