淡々と・・・

淡々と過ぎていく日々、心にとまったひとこまを写真と短文で綴っています。

ワルナスビ(実)

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冬でも日当たりの良い歩道脇でワルナスビの実

を見つけました。

小さなプチトマトのような実はナスというより

トマトにそっくりですが、ナス科の有害雑草で

畑の嫌われ者です。

ナスの花にそっくりな花は薄紫色から白色で

とても美しいと思うのですが、茎や葉に鋭い棘

があります。かわいい実も有毒なので子供たち

が誤って食べたりしないよう十分に注意する必

要があります。

この植物が厄介なのは、種からだけではなく、

耕運機などで土に鋤き込むとちぎれた地下茎か

らも芽を出してしまう繁殖力を持つことです。

ナス科なのでトマトやジャガイモ、もちろん

ナスなどの畑に生えるとそれらナス科の作物に

連作障害を起こしてしばらく畑を使えなくして

しまいます。元々は、アメリカからの外来植物

ですが、今は日本中に広がっているそうです。

同じ種属の植物でも人間の役に立つものと、

目の敵にされてしまうものがあるなんて、なん

て不条理なことなんだろう、とワルナスビを見

る度に思うのです。

 

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ため池2

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しばらくご無沙汰だった、ため池へ氷もそろそ

ろ溶けたかもしれない、と思って行ってみまし

た。岸に近い周辺は少し溶けていますが、中心

部はまだ白く厚さがあるようです。

昨年までは凍っても2、3日するとすぐに溶け

てしまうほど薄い氷だったのですが、今年に入

ってからの厳しい寒さはかなり厚い氷を作った

ようです。私がこの場所に引越して来てから3

度目の冬ですが、これまでで、気温が一番低く

積雪量も一番多い冬だったので無理もありませ

ん。ため池では、昨年までは冬になるとカモな

どの水鳥をたまに見かけたのですが、この冬は

それも全く見ません。もっと南の暖かい地方で

越冬しているのでしょう。

散歩で見かけたピラカンサの実はどこも実が食

べ尽くされており、昨年は春になってもたくさ

ん残っていた庭のマンリョウの実もほとんど残

っていません。人間だけでなく、鳥たちにとっ

ても厳しい冬だったのだなぁと実感する今日こ

の頃です。

 

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アジサイ(花)

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フクジュソウが咲いた暖かな日は一日だけで

またドンヨリと曇った寒い日に逆戻りとなり

ました。まだまだ冬の勢力が強いということ

です。まあ、雪が降らないだけマシと思って

我慢するしかありません。一度咲いたフクジュ

ソウも寒さを寄せ付けないように再び花びらを

固く閉じています。この時期の不安定な気候に

よく順応しているなぁと感心してしまいます。

近所を歩いていると梅雨時に咲いたアジサイ

花がそのままドライフラワーになっているにを

よく見かけます。私が庭のアジサイでドライ

フラワーを作ろうとすると何度やっても上手く

乾燥させることが出来ずにフニャフニャした

ただの萎れた花になってしまうのですが、自然

に立ち枯れたアジサイたちはパリッとして枯れ

ても美しく立っています。風通しに鍵がある

のではないか?と予想しているのですが。。。

風通しといえば洗濯物も日があまり照っていな

い日でも風があると案外乾きます。

風というのは目に見えないものですが、ここぞ

という時、重要な存在なのだなぁと最近思いま

す。何物にも縛られず自由に行きたい所へ流れ

ていく風。そういうものに私もなりたい。

フクジュソウ(花)

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今年一番最初に庭で咲いた花は、やはりフク

ジュソウでした。

花芽を確認したのが丁度2週間前で寒い日々を

ジーッ、と耐えて前日のお湿りと快晴の太陽か

らの温もりを一身に受けて開花しました。

実は、この花は2週間前の花芽とは違う株から

咲いた花です。少し離れた別の株から出た花芽

があれよあれよという間に最初に色付いた花芽

を追い越して先に咲いてしまったのです。なん

とも不思議なことです。

午前中はお猪口のように半開きだったので全開

するのは明日かな?と思っていたのですが、午

後にはこのように開いていました。前日は、曇

って大変寒い日だったのにフクジュソウは、朝

から良く晴れることをわかっていたかのようで

した。1月中に咲くことはあきらめていたので

予想より早く花を見られて嬉しいです。

この花が咲いたということは、春が確実に近づ

いている証拠です。まだまだ雪が降る日も、氷

点下になる朝もあるはずですが、前に進んでい

るよ、と教えてくれるフクジュソウの花は、北

国に住む者にとって心弾む応援花です。

 

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今日の空67

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久しぶりに夕焼け空を見ることが出来ました。

大寒を過ぎてからなんとなく空気が少しずつ

緩んできているような気がします。

毎日刺さるような冷たさだった空気が少しだけ

ふんわりとした感じがします。

ただ、その分空気の透明感は失われたようで

空の色は霞がかかったように白くぼんやりして

きました。青も橙も白を混ぜたようなパステ

カラーのような色になっています。

冬と春の力比べが始まったのを感じます。

冷たい冬の空気は重くてなかなか動こうとしな

いため、春はものすごい風で重い空気を吹き飛

ばそうとします。春の始まりは力づくです。暴

力的といってもいいほど乱暴な風が吹きます。

そのうち風だけではなく激しい雨も降り出すで

しょう。

今年の1月は雪が降る日が多く、寒い日が続い

たためとても長く感じています。気分はもう

2月くらいなのに日付はまだ1月。

1月は往ぬる、2月は逃げる、3月は去る、の

言葉通り桜が咲く頃までこの激動の季節を無事

駆け抜けることが出来ますように!と夕焼け空

に祈りました。

ハンノキ(実)

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そろそろマンサクの花が見られるのではないか

と雑木林に行ってみました。

残念ながらまだマンサクは咲いていませんで

したが、蕾はだいぶ膨らんでいました。

斜面をウネウネと下って田んぼに下りる途中で

ハンノキの球果を見つけました。これまで何度

も通っている道なのに初めて気がつきました。

ハンノキの雄花はハシバミの雄花によく似た形

をしています。組み紐状の花穂が垂れ下がって

風に揺られて花粉を飛ばします。

雄花は、暖地では11月頃から咲き始め春まで

咲き続けるそうですが、私が見たハンノキは

まだ雄花も雌花も固い蕾でした。ハンノキの花

粉もスギ花粉と同じように花粉症の原因になる

人がいるので注意が必要です。

雄花に比べて雌花は、小さく地味で春先は目立

ちませんが、雄花の近くに存在します。雌花は

受粉すると最初は緑色の球果を作ります。この

球果は、種を飛ばし終わっても長く枝に留まり

次の雄花が咲いてくるこの時期になっても枯れ

て残っていることが多いです。

本来、ハンノキは水辺に近い場所に適応した落

葉高木ですが、この写真の木は斜面にヒョロヒ

ョロと1本だけ斜めに生えていました。

鳥にでも運ばれてちょっと違った環境に来てし

まったのかもしれませんが、それでも次世代へ

命をつなぐ営みをあきらめない姿に深く感じ入

りました。

 

ハンノキの雄花(蕾)と奥の小さな芽が雌花と思われる

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スギ(実)

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このところ雑木林の中を歩くと落葉に混ざって

スギの実が落ちているのが目立ちます。

スギの実は、先日記事にしたマツボックリと

同じように正式には球果と呼ばれます。

球果は種を格納していて種子の散布を風に頼

っている植物が作る器官です。

スギの球果は、もう種を飛ばし終わって役目を

終えたために落ちているのだと思われます。

茶色く乾いたスギの枝と一緒にいくつもいくも

足元で見つけることが出来ます。

両親たちが子供の頃は、田舎の多くの家でまだ

カマドを使ってご飯を炊いていたそうです。

カマドで火を点ける時には、このよく乾いたス

ギの葉や球果が、焚き付けに大変便利だったの

で親たちは、子供によく集めてくるように命じ

たそうです。

雑木林は、肥料も燃料も時にはキノコなどの食

料も提供してくれる多彩な場所でした。

考えてみると、かなり昔に私たちの先祖はすで

エコナ生活を完成させていたのです。

いつの間にか私たちはリサイクルの難しい物に

囲まれた生活をしています。私たちが進化と

思っている今の社会は、案外、退化した社会な

のかもしれません。

今日の空66

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寒さの底といわれる大寒の朝に父が運転免許証

の更新に行くと言い出したので慌てて出かけま

した。

これまでは車で免許センターまで行っていたよ

うなのですが、真冬の遠距離ドライブは流石に

不安で電車で行くことになりました。電車で行

く場合は、別の場所の免許センターの方が行き

やすいということでグーグルマップや乗換案内

などを駆使して行き方を調べました。 県内の

免許センターはどこも駅から遠く、バスもほと

んど出ておらず結局駅からはタクシーのお世話

になりなんとか到着。午後1時から受付のはず

なのに12時過ぎには皆さん並び始めたので私

が先に並んでおいて10番目位を確保したはず

なのに父が超スローペースなため、写真撮影を

する頃には、いつの間にか随分後ろの順番にな

っていました。

少し待って新しい免許証を受け取って外に出て

さて、ここからどうやって駅へ戻ろう、と目の

前の国道をビュンビュン走る車を眺めていると

運良く空車のタクシーが走って来たので必死で

手を振って捕まえることが出来ました。

寒い中、お昼も食べる暇もなく真っ直ぐ帰宅。

午後3時には家に戻れてやれやれ、やっと懸案

事項が終了したね、これが最後だからね、と母

に念押しされた父は、次までは生きていない!

と憎まれ口をたたいているのでした。

 

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ツノハシバミ(蕾)

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昨年末に見た時はまだ小さかったツノハシバミ

の蕾がだいぶ大きくなってきました。

枯れたベージュ色ばかりの雑木林の中でじっく

り観察しないと見過ごしてしまうほど風景に

同化しています。雌花の蕾も小さく写真には写

っていますが、目立ちません。

毎年、秋には実がなっていますが、その実はい

つの間にかなくなっています。誰かが収穫して

いるのか、それとも鳥や動物が食べているのか

不思議なことの1つです。

昨夏、この辺りでイノシシに遭ったので夜の間

に食べているのかもしれません。薄茶色の実は

大変脂肪分に富んでいるのでイノシシやリスに

とっては御馳走だと思います。ちょっとハワイ

のお土産で頂くマカデミアナッツに似ている気

もします。調べてみるとマカデミアナッツは、

元々はオーストラリア原産でヤマモガシ科とい

う常緑樹なので全く違う種類のようですが、脂

っこい感じはよく似ていると思います。

週間天気予報を見るとまだまだ雪だるまマーク

が並んでいますが、耳をすまし、目を凝らせば

すこ~しずつ、春の息吹きを感じる今日この頃

です。 

 

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ウメ(蕾)

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私より南の地方に住む友人からのメールには

ウメの花がちらほら開いているのを見かけた

と書かれてありました。

ああ、そうだなぁ~あの辺りではそろそろ

そんな季節なのだ、と思い出しています。

特に紅梅は日当たりの良い場所にあるものは

1月中旬を過ぎると青い空をバックに一輪、

また一輪とほころび始めていましたっけ。

沖縄ではヒカンザクラが咲き始めたと聞き、

一方で、北海道網走には流氷がやって来たと

聞くこの季節の違いはどう表現したらよいの

でしょう。

我が家のウメの木は、まだ固い蕾です。

今年は昨年よりたくさんの蕾をつけています

が、だからといって梅の実がたくさん収穫出

来るかどうかはまだわかりません。花がたく

さん咲いても寒さが戻り、受粉を手伝ってく

れる虫や鳥が来なければ実は出来ませんし、

受粉して実がなってもその後、大風が吹いて

完熟前に落ちてしまうこともあるからです。

今日は、暴風警報が出て横殴りの雪も降って

います。日が射しているのに雪が吹きつけて

大変寒い日でした。固い外皮にしっかりと守

られてウメの蕾は、まだまだ深い夢の中です。