淡々と・・・

淡々と過ぎていく日々、心にとまったひとこまを写真と短文で綴っています。

カツラ(新葉)

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カツラの花を見ようと近所の公園へ行ってみる

とすでに、終わっていました。

花は葉が出る前に咲くのですが、カツラは雌雄

異株なため雄花と雌花は別々の木に咲きます。

花が咲き終わるとその付け根からたちまち新葉

が展開してきます。新葉は、最初は小さな円形

で色はかなり赤味がかっています。小さな円形

の葉は、太陽の光に当たって日に日に大きくな

り、段々ハート型になります。それと共に、色

も徐々に赤味が薄れてライムグリーンになって

いきます。

カツラの木は、大木に育つため山奥でしか見ら

れないと思っていたのですが、最近は街路樹に

利用されているのを頻繁に見かけるようになり

ました。私の家の近所の公園もたいして広くな

いのに5本ほどのカツラの木が植えられていま

す。春は明るい緑色の葉、秋は黄金色に輝く葉

が、ダントツに美しい木です。

今年は、花を見逃がしましたが、芽吹いたばか

りの新葉も得難い美しさがあると気付けて良か

ったな、と思っています。

 

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ムスカリ(花)

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ムスカリの花の別名が、ブドウヒヤシンスだと

知ったのはつい最近のことです。

本当にこの紫色の花はブドウの房のようだなぁ

と以前から思っていました。もっとも、最近は

ピンクや白、空色のような花色も出回っており

そういう色の花はブドウのようには見えないの

ですが。

ムスカリの存在を知ったのは、大人になってか

らだと思います。今では春の花壇を彩る重要な

一員ですが、私が子供の頃は、見た記憶があり

ません。日本がバブル景気に沸いていた頃、入

って来て、ガーデニングブームに乗っていっき

に広まったそうです。原産地は、チューリップ

等とほぼ重なる地中海周辺とのこと。

ムスカリの名前の由来は、ギリシャ語のムスク

からきています。ムスクは、香水などに使われ

る麝香のこと。私は、ムスクの香りはあまり好

みではないのでムスカリってそんな香りだっけ

と思い、実際に花の香りを嗅いでみましたが、

清々しい爽やかな香りでした。香水のムスクと

は全然別物の香りです。あの香りのままだった

ら嫌だな、と思っていたのでホッとしました。

ネアンデルタール人の遺跡から人類最古の埋葬

花が見つかって、その花がムスカリの花だと推

定されています。遠い昔もムスカリは、今と同

じ清々しい香りで死者を悼む気持ちに寄り添っ

ていたのでしょう。

 

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トチ(新芽)

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ようやくトチの冬芽が割れて、柔らかい新芽が

現れてきました。

柔らかな葉はまだ展開しておらず、細長い茶巾

絞りのように斜め上に向かって縞模様が入って

います。ベトベトだった冬芽はまだかろうじて

新芽の下に残っていますが、もうすぐ下に落ち

てしまうでしょう。

不思議なことにトチの新芽が出てくるともう霜

が降りる心配もほとんどなくなります。この辺

りは、日中どんなに気温が上がっても早朝、急

激に気温が下がるのですが、それもそろそろお

終いということです。地面の温度を感じている

のか、太陽の位置や日照時間を体感しているの

か、トチにはその時期がわかるようです。

新芽に包まれた中には、花芽が入っています。

これから1ヵ月ほどかけてトチは花芽を伸ばし

ます。トチの花が咲く頃は、この辺りの自然が

最も耀き、気候も一番快適な季節です。

霜が降りなくなっただけでも有難いのに早く、

あの美しく快適な季節が来ないかなぁ~と気持

ちが、前のめりになってしま私です。

 

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キケマン(花)

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散歩には丁度良い気候となり、一人でブラブラ

と沢沿いの道を歩きました。

この日は風も強くなく、水の流れる音を聞きな

がら歩くと頭の中のモヤモヤもきれいに流れて

いくような気分でした。

沢が大きく蛇行する所で道も大きく曲がって、

くぼんだ崖下の一角を見ると黄色い30cm前後

の花が何本も固まって咲いているのが目に入り

ました。初めて見る花で花の形はムラサキケマ

ンに似ているなぁと思いながら写真を撮りまし

た。家に帰って調べるとどうやらこの花はキケ

マンの花のようです。ムラサキケマンは、何度

も道端で見たことがありましたが、キケマンは

今回、初めて出会いました。

ケマンというのは、漢字では華鬘と書くそうで

仏殿などの欄間の装飾具のことだそうです。花

やその後の実のついた姿が、繊細な細工物を連

想させることからついた名前と思われます。

一人で散歩に行くと時々、このような思わぬ花

との出会いがあります。変な言い方かもしれま

せんが、本当の自分自身、素の自分の状態でい

るから一番好きなものに素直に目が留まるのか

もしれないなぁ~と思っています。

ヤマザクラ(花)

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雲ひとつない快晴の空の下、ヤマザクラの花が

咲いていました。

ヤマザクラは、ソメイヨシノとは異なり、花と

葉がほぼ同時に開いて来るので簡単に見分ける

ことが出来ます。古くから日本にあるサクラで

江戸時代にソメイヨシノが生まれるまでは、サ

クラといえば、ヤマザクラシダレザクラを指

しました。

ヤマザクラの葉は最初、赤味がかった茶色をし

ています。花色は、ほとんど白に近いピンク色

で清潔感を感じさせる花です。山のあちこちに

点々と散らばって生えており、斜面の環境によ

って咲き出す時期が、バラバラなため、山では

4月から5月まで長い間楽しめるサクラです。

古くから親しまれている木なため、ヤマザクラ

は、用材としても日本人の生活に馴染みのある

ものです。今では、大木が少なくなり家具など

は大変高価なものとなりましたが、樺細工と呼

ばれるヤマザクラの樹皮を貼った茶筒などは、

今でも目にすることが出来ます。

山道を歩いていると、白い花びらが散り敷てい

る場所に出会います。そんな時、見上げるとた

いていヤマザクラの大木が頭上にそびえ立って

います。言葉を発するはずのないヤマザクラ

声をかけられたような気がして嬉しくなるのは

こんな時です。

 

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シュンラン(花)

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シュンランが咲き出すのは決まって少し湿度が

高く感じられる日です。

このところ寒の戻りで気温の低い日が続いてい

ましたが、一度咲き出した花は寒くても頑張っ

て咲き続けています。

半透明の緑色の花は、他にはない魅力を持って

います。多くの花が目立つことによって昆虫や

鳥を呼び寄せるのにこの花はそんなことに全く

関心がないように独自の進化を遂げています。

ラン科の植物は一般的には、熱帯地域のものが

高級園芸植物として流通していますが、シュン

ランは稀に希少な品種もありますが、元は山野

で自然に進化してきた植物です。ホコリのよう

に微細なタネは、周囲の菌類の助けを得て栄養

素を吸収し、最初バルブという球根に似た根茎

となり、何年もしてから葉を展開します。これ

は、寒さに適応するため獲得した繁殖方法との

こと。

シュンランの咲いている場所は、落ち葉がフカ

フカに積もった雑木林の斜面です。多くの山野

草がそうであるように、生暖かい風が吹く日に

冬の寒さから守ってくれた落ち葉の毛布の下か

ら頭をもたげるように姿を現わします。

野生の山野草は、花が咲くまでに10年近くの歳

月をかけています。電気信号の伝達で何事も瞬

時に出来るようになった日々に生きている私に

は、だからこそ魅力的に映るのです。

 

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ウグイスカグラ(花)

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雑木林の縁の日当たりの良い場所を歩いている

と、ウグイスカグラの花がたくさん咲いていま

した。

直径1cm前後の小さな花は、少しオレンジ色

がかったピンクで風に吹かれて揺れる様子が、

なんとも風情があります。

落葉低木のため本来は主役になる木ではありま

せんが、初夏に真っ赤な実がなるのも可愛らし

く、最近は園芸店などでも売られています。

赤い実は、食べられるそうで食べた人の話では

甘くて美味しいとのこと。人間が食べて美味し

いのならば、鳥たちにとっては御馳走でしょう

からここにある木も鳥が、食べて種が運ばれて

来たのでしょう。

ウグイスカグラの花を見た後、両親と歩いてい

ると頭の上をトンビがピーヒョロローと鳴きな

がら飛んで行きました。見上げると鳴いている

1羽の後からすぐにもう1羽飛んできました。

海からは、直線距離で20km以上はあるはずな

のにここではたまにトンビを見かけます。雑木

林をねぐらとしているのかもしれません。上昇

気流に乗って高い空で輪を描きながら飛んでい

る姿をよく見ます。藪の中からは、ウグイスの

長鳴きも聞こえてきて、長閑な春を堪能した日

でした。

チューリップ(花)

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今年は、チューリップが咲くのが早いような

気がします。

冬にたくさん雪が積もってしっかり寒さに当

ったためでしょうか?

花屋さんでは、年末からチューリップが売ら

れています。今は、温室で自在に温度管理して

花を咲かせることが出来るのでたいていの草花

は季節を問わず育てることが可能です。

チューリップも一度冷蔵庫で人工的な冬の寒さ

を体験させた後、温室で育てることによって、

年末の寒い時期から花を咲かせることが出来る

ようです。

茎の割に大きな花を持つチューリップは案外活

けるのが難しい花です。上手く活けられた!

と思ってもしばらくして見ると全然違う方向を

向いていたり、ひっくり返っていたりします。

土に植わっている時は、しっかりとバランスを

保っているのに花瓶に活けると暴れてしまうの

はどうしてでしょう?  

チューリップの故郷は、トルコを中心とした中

央アジア周辺といわれています。昔、テレビで

原産地で咲く原種のチューリップを見ましたが

形はチューリップでもミニチュアのように小さ

な植物でした。

大地から切り離されてしまったチューリップの

花が不安定なのは、人間の様々な欲望を花の中

に託されて、健気に咲いているからかもしれま

せん。

 

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フジザクラ(花)

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庭のフジザクラが満開になりました。

数年前、スーパーの店頭で売れ残っていた細い

苗木を見てシーズンが終わったら廃棄されてし

まうのだろうと思ってつい買ってしまったもの

です。私のおこずかいで買えるくらい値段が下

がっていたのも思い切れた要因です。

もう、庭は満席だったのですが、花も木も小型

なため、なんとか庭の東側にスペースを見つけ

て植えました。

フジザクラは、富士山周辺に分布する野生種の

サクラで、マメザクラとも呼ばれます。栄養分

の少ない土地と寒さに適応して高山でも生き抜

くように進化したそうです。偶然ですが、私が

今住む場所にピッタリな品種です。

冬の間は、しっかりと茶色い殻に守られて雪が

降り積もってもじっと耐えていた花芽は、お彼

岸を過ぎた頃から少しずつ膨らみ始めました。

4月に入るとみるみるピンク色の雫型の蕾が現

れ、次々とほころんできました。小さな花は、

全てうつむいて咲くので豪華とは無縁ですが、

可憐な乙女のような印象を受ける花です。

今年も元気に咲いてくれたこのサクラを見てい

ると、私も頑張っているから貴方も頑張って!

と励まされているように見えるのです。

 

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ラッパスイセン(黄花)

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公民館の前庭のラッパスイセンが、咲き揃いま

した。

ずらりと並んだ黄色の花は、風に煽られながら

もしっかりと立っています。この花は、中心の

ラッパの部分(副花冠)が一番濃い黄色で外側

に向かって段々と薄い黄色になっています。遠

くからではただの黄色のラッパスイセンに見え

たのですが、近づいて見たら黄色のグラデーシ

ョンになっていることがわかりました。100個

以上ありそうな黄色いスイセンは、春を歓迎し

ているように楽しげに見えます。

温かくなって隣りの公園にも子供たちの声が戻

ってきました。相変わらず、コロナウィルスは

猛威を振るっていますが、エネルギーに満ちた

子供たちを家に閉じ込めておくのも限界がある

のでしょう。子供は、重症化しないという説も

あるようで、だったら無闇に隔離しておく方が

問題なのかもしれません。

最近、コロナウィルスは、次々と変異している

ようです。スイセンに様々な品種があるのも遺

伝子を変異させた結果です。同じ遺伝子の組み

換えでも人々にとって迷惑な時と喜ばれる時が

あるのだ、と思うと複雑な気持ちになる今日此

の頃です。

 

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