今日の空70
下段は青空で上段は濃い灰色の雲に覆われて
いる空。このような空を私の住む地域では、
しばしば見ます。
気象に関する知識は天気予報で得たくらいし
かない私には、このような空を何と呼ぶのか
わかりませんが、朝天気が良くて洗濯日和だ
と思っても、干し終わるころにはきまってこ
のような雲が現れてガッカリするのです。
そのうち冷たい風が吹いてきて、パラパラと
小雨が降ってくるに決まっているからです。
山の上に住む者の宿命なのかもしれませんが
折角洗った洗濯物が雨に当たるのも嫌だし、
干したばかりなのに取り込むのもなんだかなぁ
と思います。
「郷に入っては郷に従え」という言葉はもち
ろん知っていますが、この天気だけはどうし
ても好きになれません。
その上、あざ笑うかのように午後になるとま
た燦々と晴れてくることが多いのです。
午後になって晴れても空気の冷たいこの地方
ではもう洗濯物は乾きません。晴れた空は夜
の間中続き、放射冷却現象を招きます。
日中の一番気温が上がるゴールデンタイムに
太陽の恵みを受けられないこの場所であとど
のくらい過ごすことになるのだろう、と考え
ると胸に重たい石を抱いた気になるのです。
ゼラニウム(花)
ゼラニウムは、冬でも暖房の効いた部屋に置け
ば少しずつ花を咲かせてくれます。
今冬は、外に出したままだった株はほとんど
寒さにやられてしまいました。念のためと室内
に入れておいた1株だけが生き残り、今に至り
ます。
リカと聞くと私は暑い所と思ってしまうのです
が、意外と朝晩は気温が下がるようでゼラニウ
ムも0度位までの寒さには耐えられます。ただ
気温は低くなってもアフリカは、日照時間が長
いためゼラニウムは十分に太陽からエネルギー
をもらって元気に花を咲かせます。そこが日照
時間が少ない私の住む地域とは決定的に違う点
です。
室内で咲いている花は、夏の花と比べるとやは
りかなり無理をしています。
天気の良い日は、なるべく日の当たる場所に置
くようにしていますが、それでも花にボリュー
ムがありませんし、茎もヒョロヒョロしてひ弱
です。どんなに頑張っても圧倒的に太陽の光が
足りないのです。
太陽の光が足りないと人間も気持ちが、鬱々と
してきます。ゼラニウムと同じくらい私も暖か
な晴天を待ち焦がれているのです。
雑木林4
朝まで雪がちらついていましたが、晴れてきた
ので一番近い雑木林に行ってみました。
前日の雪質とは異なり水分の少ない軽い雪が
重い雪の上にサラリと積もっています。
誰もいない静かな木々の間を長靴でサクサクと
歩き回ります。
地面は白い雪で覆われていますが、雑木林の中
は日当たりが良く意外と寒くありません。
緩やかな斜面を登ったり下りたりしていると
新鮮な酸素が肺の中に入り込み、それが血液に
取り込まれて体中に行き渡るのを実感します。
雪には浄化作用があります。上空から降りて来
る途中で様々な空気中の不純物を吸着して地面
に落ちます。 天然の空気清浄機なのです。
雪の一生を擬人化して小さな物語にした、ポー
ル・ギャリコの「雪のひとひら」が好きです。
このような美しい物語を簡潔に、でも情感豊か
に書くことに憧れます。翻訳が、矢川澄子で
あることもこの物語を輝かせています。
悩ましい存在である雪をこんなにも磨き上げた
言葉で表現出来たら、心もさぞかし浄化される
ことでしょう。
ノギク(花)
秋に至る所に咲いていたノギクは今、ほとんど
の種を飛ばしてガクの部分だけが枯れた状態で
残っています。
カサカサに乾燥していますが、なんだかこれだ
けでも一種の白い花のように見えて写真を撮っ
てしまいました。
不思議なことに冬に枯れた姿をさらしていた
植物の残骸は春になるとすっかり消えてしまい
ます。雨や風に打たれて乾燥した茎や葉はあっ
という間にボロボロになって土に還ってしまう
のでしょう。そして、その土を栄養として新し
い命が緑一面、地上を覆ってしまう、自然界の
1年は、その繰り返しです。
すっかり雪が消えたと思ってホッとしていたら
翌朝、一夜にしてまた一面の銀世界に変わって
いました。関東地方に春一番を吹かせた低気圧
がこちらでは雪を引き寄せたようです。そろそ
ろ雪かきから解放されるかと油断していたらこ
の有様です。水分を多く含んだ雪は春の兆しな
のでしょうが、重くて体力を奪います。
自然界には何ひとつ無駄なものはないといいま
す。枯れ果てたノギクの残骸も私を悩ませる重
たい雪も巡り廻って何かの役に立っているに違
いないのです。
今日の空69
2日前は最高気温が久しぶりに10度を越えた
と言っていましたが、それほど温かくは感じ
られませんでした。 街なかと山では気温差が
あるのでしょう。山は、気圧も不安定でちょ
っとした加減で時々雨粒が落ちてきたと思っ
たら、また薄日が射すことを繰り返します。
庭のヒヤシンスの花芽もあまり変化がなく、
周囲があまりにも殺風景なのに耐えきれず、
来年は、絶対に水栽培で育てよう!と今から
心に決めています。
花屋さんの前を通ると必ず並んでいる鉢や花
をしばし眺めてしまいます。花屋さんの店先
は、一足先に春を並べて見せてくれる場所だ
から。家の生け垣のサザンカの花すら凍りつ
いて腐っているため、花に飢えているのです。
毛むくじゃらのポピーの蕾、もう少ししたら
鮮やかな黄色のミモザも並ぶはず。チューリ
ップやスイセンはお正月用に年末から並んで
いました。
灰色の空をバックに羽毛のような雪がヒラヒ
ラと舞い降りて来るのを目で追いながら、今
の私の花はこの雪なのだ、とまた白で塗りつ
ぶされていく風景を見つめているのです。
ツワブキ(実)
11月に花を咲かせていたツワブキが、今は、
フワフワの綿毛をつけています。
タンポポの綿毛に比べると産毛が密で黄色味
がかっています。産毛が密な分、重たげであ
まり遠くまでは飛んでいけなそう。毛糸で作
ったポンポンに似ているような感じもなきに
しもあらず?
ツワブキは、常緑の植物なので本来はもっと
南の地方に適した植物です。冬の厳しい北国
の植物は、冬は葉を落として地上部は枯らし
地下に避難して過ごします。冷たい風に痛め
つけられ、時には雪まで降り積もって過ごす
ツワブキはいくら丈夫とはいえ痛々しく見え
ます。
フキは、冬の間は土の中です。寒さに適応し
ており、日本では北海道でも元気に育ちます。
先日、そろそろどこかにフキノトウが出てい
ないか、と毎年生える場所を見て回ったので
すが、やはりまだ早過ぎるようで1つも見つ
けることが出来ませんでした。風の冷たさを
考えると無理もありません。
陽だまりでノンビリ眺めたいものだなぁ~と
思う雪の立春の朝でした。
オオイヌノフグリ(花)
先週は見当たらなかったオオイヌノフグリの
花を見つけることが出来ました。
ほぼ昨年と同じ頃咲き出したようで安心しま
した。春本番より紫がかっているのは寒さの
せいかな?葉も赤味を帯びていてまだまだ寒
そうな様子。
この花を見つけるためには、晴天の日を選び
ます。陽の光が当たることで青い花が開くか
らです。曇天や雨の日はギュッと花を閉じて
しまいます。
散歩に出かけた時は青空が広がっていたのに
途中からミルミル空に雲が広がって帰る頃に
はすっかり曇り空に変わってしまいました。
山の天気は気まぐれであっという間に気温も
下がってきます。やっと溶けた日陰の雪も夜の
間にまたうっすらと積もって道路をアイスバー
ンに変えています。
九州では、ツルの北帰行が始まっていると聞き
ました。青い空をグレーの翼で渡って行くナベ
ヅルやマナヅルの群れはどんな風に飛んでいく
のだろう、と想像を巡らしています。
弱いのに威張っている人間なんかより花も鳥も
ずっと強いんだなぁ。
今日の空68
長い長い1月が終わって今日から2月が始まり
ました。1月が長いと感じたのは私だけの感覚
かもしれませんが、無事に懸案事項も済んだの
で良しと思っています。
まだまだ、ここは枯れ果てた風景のままですが
それでも2月半ばには、フクジュソウとウメが
少しは開くでしょう。近所のお宅にあったロウ
バイの木は枯れてしまったのか?姿が見えず、
ちょっと残念ですが、図書館の近くにも植えら
れているのを見つけたのでそこの花を楽しみに
しています。
我が家の庭のロウバイは、今年も蕾がついてい
ないようでまた来年に持ち越しです。種から木
が花を咲かせるまでに大きく育つのは大変なこ
となんだなぁとしみじみ感じます。
庭のロウバイは、もうそろそろ種を蒔いて7年
くらい経ちます。7年といえば人間にしたら、
小学校へ入学する位です。そう考えるとまだま
だ幼いですね。新学期に1年生と6年生が、並
んで登校して行く姿を見ると大きさの違いにび
っくりすることがあります。1年生は、やはり
小さくて弱々しく見えるのに最近の6年生は成
長も早く体格も大人に近い感じです。
1年生に早く花を咲かせて欲しいと望むのは酷
というものです。今年も葉っぱをたくさん茂ら
せて元気に過ごしてくれれば十分です。
野蚕(やさん)
雑木林には、春から秋の間は草が生い茂って
入っていけない道があります。そんな道も
冬のこの時期だけは通ることが出来るので
雪がほとんど消えたころ行ってみました。
一応、斜面には木段が組んでありますが、あ
ちらこちらから木が倒れかかっていたり、ツル
が垂れ下がっていたりして真っ直ぐには進めま
せん。天気が良い日だったのでいつの間にか
汗までかいて歩いていると目の前に野蚕の繭が
現れました。
野蚕は、野生の繭のことで、昨年見つけた天蚕
(てんさん)も野蚕の一種です。今は多くの野蚕
も人間が飼育して絹糸を取るようになっている
ようですが、たまに雑木林の中でも本当に野生
の蛾が作った繭を見かけることがあります。
この繭は、ヤマブキの枝先にぶら下がっていま
したが、繭自体はかなりボロボロになっており
よく見ると中に蛾のサナギが透けて見えるほど
でした。この辺りにヤマブキの花が一面咲き乱
れる頃サナギは羽化してくるのでしょう。
冬が苦手な私は、早く春が来ないかなぁと待ち
焦がれていますが、たま~に冬限定のお楽しみ
に出会うと一瞬だけ冬も良いものだ、と思うの
です。勝手なものです。
ハクモクレン(冬芽)
ハクモクレンの花が咲くのはまだ2ヵ月以上
先になりますが、冬芽は少しずつ大きくなっ
ています。大きい方が花芽で脇の小さい方が
葉芽になります。
毎年のことながらこの花が咲き始める季節は
春の気配が目に見えてはっきりしてくる頃で
ウキウキとする嬉しい季節です。この花が、
終わると春の大御所、サクラの季節の到来と
なります。
現実は、まだまだ寒い雪の舞う風景で、今朝
も起きて窓の外を見ると薄っすらと雪化粧し
ていました。雪かきするほどではありません
が、白くなっている風景を見ると気持ちが沈
みます。まだ先は長いのだなぁと思い知らさ
れるような気がするのです。でも、雪ではな
く雨が降る日も混じるようになりました。雨
や雪が固い花芽を少しずつ和らげ、日に日に
伸びている太陽の光が木々を目覚めさせてい
ます。
今年の節分は2月2日だそうです。
私は、節分は2月3日と決まっているものだ
と思っていたのでちょっとビックリです。
立春が2月3日に繰り上がった分、春も1日
早くなるのかな、とちょっとだけ期待してい
ます。