淡々と・・・

淡々と過ぎていく日々、心にとまったひとこまを写真と短文で綴っています。

クチナシ(花)

f:id:tantan_10:20210702105038j:plain

雨の止み間をぬうようにクチナシの花が咲き

ます。 

甘い独特の香りは蒸し暑い空気とあいまって

まとわりつくように周囲に漂っています。

クチナシの花には八重咲きと一重咲きがあり

ます。私が、初めてクチナシの花を見たのは

八重咲きの方が先でした。自生種は、一重咲

きですが、香りの良さと花の美しさを買われ

て、園芸品種として改良されたのです。

八重咲きのクチナシは、バラの花を思わせる

ボリューム感と濃厚な香りで周囲を魅了しま

す。子供の頃の私は、その代償として植物と

して大切な実をつける機能を失っていること

を知りませんでした。

大人になって一重咲きのクチナシにしか実が

ならないと知って、なんとか実がなっている

木を見てみたいものだと思っていましたが、

当時は、華やかな八重咲きが流行っていたの

か、なかなか一重咲きを見る機会はありませ

んでした。

しばらくして、ようやく実のなっている木を

見つけることが出来ました。その実から種を

取って育て、花を咲かせ、更に実をならせる

ことが叶いました。

ずいぶん時間が、かかりました。でも、これ

が私の生き方に共通しているやり方なんだろ

うなぁ、と納得しているのです。

 

tantan10.hatenablog.com

ネジバナ(花)

f:id:tantan_10:20210701112422j:plain

今年は、まだかなぁと何度か探していたネジ

バナをようやく見つけることが出来ました。

ネジバナは、案外身近な植物です。

この花も公民館の入り口の芝生の斜面に毎年

何本も生えてきます。花好きな人は目ざとく

見つけ、植物に感心のない人は芝生と同化し

てしまうようで全く気が付かずに通り過ぎて

いきます。

植物を育てるのが上手な人のことをイギリス

では緑の指(グリーンフィンガーズ)を持つ

人と呼ぶそうですが、グリーンフィンガーズ

は、きっとグリーンアイズでもあるに違いな

い、と私は思っています。

こんなに小さな花ですが、ネジバナはラン科

の植物です。ラン科の植物は不思議な一面を

持ち、地中の共生菌を根に宿らせて共存共栄

しています。春に花が咲くギンランなどもそ

のような生態の植物です。そのため安易に抜

き取って他の場所に植え替えても育たないこ

とが多いといわれています。

螺旋階段を昇るように花を咲かせていくネジ

バナを見つけたらそっと写真におさめるだけ

にしています。 

 

tantan10.hatenablog.com

ナツツバキ(花)

f:id:tantan_10:20210702115553j:plain

昨年は、春の雨不足でほとんど花が咲かなか

ったナツツバキが、今年は順調に咲いていま

す。 

花びらに羽毛のような毛羽立ちがあり、薄い

和紙のように見えますが、なぜか一枚だけ薄

茶色のシミのような部分が必ずあるのが不思

議です。残念なことに一日花のため、次の日

はツバキと同じように花ごと落ちてしまうの

ですが、丸い蕾もコロンとして愛らしいもの

です。

ナツツバキは、別名沙羅の木とも呼ばれ、お

釈迦様が亡くなった時、両側に立っていた沙

羅双樹に擬せられますが、本当の沙羅は日本

では寒すぎて育たないため、寺院などではナ

ツツバキを聖樹の代用としているとのことで

す。

ナツツバキは、一足先に咲き終わったヒメシ

ャラの花に比べると花の色もひときわ白く、

大きく立派です。

雨に打たれる梅雨時ではなく、もう少し早い

時期に咲いたらいいのになぁといつも思う花

です。 

 

tantan10.hatenablog.com

ウツボグサ(花)

f:id:tantan_10:20210630110130j:plain

ウツボグサの名前の由来は、武士が弓矢を入

れて背負った靭(うつぼ)という、道具に花

の形が似ていることから名付けられたそうで

す。

シソ科の植物共通の穂の下から順番に花が開

く習性で、花がてっぺんまで咲き終わると茶

色い筒状のドライフラワーになります。その

ため夏枯草(かこそう)という別名も持って

います。

ウツボグサの花の紫色は、独特の色をしてお

り、あまり他の花では見かけない紫色です。

私は、ここに来るまではこの花を見たことが

なかったので母から話を聞き、ドライフラワ

ー状態になった花を見てはあれこれ想像して

いましたが、実物の色は不思議な耀きがあり

想像していた色とは全然違う色でした。

今年も近所の空き地に草刈り隊がやって来ま

した。でも昨年とちょっと違ったのは、ウツ

ボグサが咲いている一帯だけ刈られずに残さ

れていたことです。どういうわけでそうなっ

たのかわかりませんが、2ヶ所ほどの群落が

刈られずに残されました。

刈る人が、この花の美しさに心動かされて刈

り取ってしまうのは忍びないと思ってくれた

のだとしたら嬉しいのですが。 

 

tantan10.hatenablog.com

ガクアジサイ(花)

f:id:tantan_10:20210701102227j:plain

庭のガクアジサイの両性花が開き、小さな雄

しべと雌しべが、確認出来るようになりまし

た。この辺りではアジサイのシーズンは7月

に入ってからです。 

ガクアジサイは、日本原産のアジサイです。

手毬咲きのアジサイは、西洋アジサイと呼ば

れ、日本のアジサイが、西洋に渡ったものが

改良され、再度日本に里帰りして広まったと

いわれています。

水の好きなアジサイは、憂鬱になりがちな梅

雨の時期を楽しいものに変えてくれる優秀な

立役者です。大きな花(実際はガク)が、日

に日に色を変えていく様は、庭に1本は植え

たい花木の1つではないでしょうか。大きな

お寺や公園などでは、日本中でアジサイを競

うように植えているので、どの地方でも楽し

むことが出来ます。

アジサイは、種が出来ることはほとんどあり

ません。その代わり、10㎝くらいの枝から簡

単に挿し木で増やすことが出来ます。我が家

アジサイも以前の庭から挿し木で移植した

ものです。この花は、最初緑色で青紫色に変

わり、その後赤紫色に変化します。

雨の豊富な日本を象徴する花は、本当はアジ

サイなのかもしれないなぁと庭を見ながらこ

の時期、思うのです。

 

tantan10.hatenablog.com

 

tantan10.hatenablog.com

スカシユリ(花)

f:id:tantan_10:20210629153456j:plain

スカシユリは、雨に打たれてもひるむことな

く咲き続けています。

花の中には雨の時は閉じてしまったり、うな

だれてしまうものもあるというのにスカシユ

リは、いつも通りの咲き方です。

雨の日は、ハチもチョウもやって来ないのに

花びらにたくさんの水滴を載せて、重たげに

咲く様子に私は、この花の不器用さを感じま

す。

花に色々な咲き方があるように、人の生き方

にも色々あります。何事も無難にこなし、自

分の思い通りに生きている人もいれば、いつ

もどこかにつまずいてなかなか前に進めない

人もいます。自分が不器用な人間なため、ど

こからこの違いが生まれるのだろう?とズー

っと気になっていたのですが、最近、やはり

これは親の生き方を無意識に真似てこうなっ

たのではないかなぁと思っています。

私の両親は、2人とも不器用です。

しばらく振りに一緒に暮らすようになってみ

ると呆気にとられるくらい効率の悪い方法で

作業していることが多々あります。 この方法

の方がラクで疲れないのでは?とアドバイス

すると大変感心してこちらが面食うほど。

2人の不器用な生き方と、スカシユリが重な

ってユリにも傘をさしかけてあげたい気持ち

になるのです。 

 

tantan10.hatenablog.com

スモークツリー(花)

f:id:tantan_10:20210625155812j:plain

この辺りでよく植えているスモークツリーの

木は、赤系の葉と緑系の葉を持つ2種類があ

ります。

赤系の葉の花は、花も赤味を帯びた煙のよう

な花で、緑系の葉の葉は、少し黄色っぽい煙

のような花が咲きます。

初めて花屋さんで売られているのを見たスモ

ークツリーは、黄色っぽい煙の花だったので

すが、最近は赤系が人気のようで庭植えでも

よく見かけるようになりました。

煙るような花の感じからこの木は、繊細なの

かと思っていましたが、実は結構丈夫なよう

です。ちょっとユーカリの葉に似た葉は、冬

は落葉しますが、暑さにも寒さにも強くかな

り大きな木に成長します。

スモークツリーは、雌雄異株の樹木です。

それぞれの木には雄花と雌花が咲きますが、

スモーク状の花がつくのは雌花だけです。私

が、スモークツリーだと認識している木は全

て雌株だということになります。

 5月に葉が展開してその先から少しずつモヤ

モヤした花が広がってくるのを眺めてきたこ

こ1ヵ月、雨上がりにスモークの間にキラキ

ラと光る雫を受け止めている姿は、なんとも

美しい芸術作品です。 

 

tantan10.hatenablog.com

ヒルガオ(花)

f:id:tantan_10:20210627110014j:plain

今年もヒルガオの花が咲き始めました。

暖かい地方に住む方の周囲ではとっくに咲い

ていることでしょうが、この辺りではようや

くです。桃色の花はいつ見ても優し気です。

ヒルガオは、日本原産の植物でアサガオが中

国から遣唐使によって持ち帰られた花だとい

うことをつい最近知りました。なんとなく、

アサガオの方が古くから日本にあったと決め

つけていましたが、反対なのですね。

大変よく似た花ですが、アサガオが種で殖え

るのに対してヒルガオは地下茎で増えていき

ます。千切れた地下茎からも新たな芽を出す

ので一度増えると駆除が難しいため、嫌われ

て今では雑草扱いされていることがほとんど

です。

朝早く、ヒルガオの花を見ると開いた花とこ

れから開こうとしている花を同時に見ること

が出来ます。色々な花を観察したいけれど万

歩計の歩数も稼ぎたい私は、写真を撮ってい

る間にスーッと開かないかなぁと思うのです

が、花は私の都合には合わせてくれません。

時間というのは、待っているとなかなか進ま

ない不思議なものだといつも思うのです。

 

tantan10.hatenablog.com

ウメ(花梅・実)

f:id:tantan_10:20210625220403j:plain

春に愛らしい花をつけたハナウメが今年はた

くさんの実をつけました。

雨上がりの西日の射す中、ハシゴをかけてな

んとか全部、収穫して計ると10㎏以上ありま

した。植えてからこれまでこんなに採れたこ

とはありません。これまではせいぜい採れて

2~3㎏くらいだったので、母と2人でびっ

くりしています。

この梅の実は、いくら待っても柔らかく熟さ

ないため梅干しには向かないのでどうしたも

のか?と思案していました。とりあえず2㎏

は、昨年わりと美味しく出来た梅シロップに

それと500ℊは醤油漬けにしてポン酢代わり

に鍋料理の時に活用することに決めました。

残る7.5㎏は、どうする?となり、梅酒も飲

まないし捨てるのも冥利が悪い、となると

やっぱり硬くても梅干しかなぁ、ということ

になりました。

既に、取り寄せた南高梅5㎏で梅干しは漬け

た後だったので漬物桶は出払っており、急遽

新しい桶を買いに行く羽目になりました。

母とフーフー言いながら漬けた梅ですが、今

のところ順調に経過しているのを見るといつ

のまにやら美味しく出来上がるといいなーと

思っているのです。

 

tantan10.hatenablog.com

ムラサキツメクサ(花)

f:id:tantan_10:20210624095303j:plain

5月から野原や空き地など至る所で目にした

ムラサキツメクサもそろそろお終いの季節が

近づきました。

毎年5月から6月は、私の生活も色々とやる

ことが満載でせわしない毎日が続きます。

冬の間に出来ないことが、一斉に押し寄せて

来るからです。その上、今年は両親のコロナ

ウィルスのワクチン接種もあり、なかなかハ

ードスケジュールでした。お陰様で2人とも

2回目の接種も無事終わり、特に副反応もな

く終了したようなのでやれやれといった感じ

です。

目処が立ったと思ったら気が緩んだのか、特

大の口内炎ができ、それがつぶれて今はちょ

っと食べる時に不自由な思いをしています。

両親に比べれば、まだまだ身体が動くと思っ

て油断していましたが、やはりどこかに疲れ

はたまっていたのでしょう。目の前に問題が

山積みの時は、片付けるのに夢中で疲れてい

ることを忘れているものです。 

ムラサキツメクサは、口内炎にも効能がある

と聞きました。直接この花を使って治療する

つもりはありませんが、そろそろ自分自身を

労わりなさいと花に警告されたような気がし

ています。

  

tantan10.hatenablog.com