淡々と・・・

淡々と過ぎていく日々、心にとまったひとこまを写真と短文で綴っています。

カタクリ(花)

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サクラの蕾がピンク色になり始めた頃、雑木林

の足元をよく見ると日当たりの良い斜面にカタ

クリの花を見つけることが出来ます。

紅紫色の花びらをクルリと茎の方まで反転させ

て開く花は大変特徴的です。

雨上がりに家から一番近い雑木林に行ってみる

と先週見た時より花の数が増えていました。

冬から初夏へ一気に移動したような気温差に敏

感に反応して急いで花支度を始めているようで

した。

カタクリを見ていると近所の男性らしい人に声

をかけられました。さきほどすれ違った人のよ

うだなぁと思っているとどうやらそこにカタク

リの花が咲いていることを教えてくれようと、

わざわざ引き返して来てくれたようです。私が

すでにカタクリに気付いて見ているのがわかる

と「あ、そうそう、あっちにショウジョウバカ

マも咲いているよ」と言って去って立ち行きま

した。返事する間もないほど素早く行ってしま

ったので後ろ姿に「ありがとうございます!」

と慌ててお礼を言ったのですが、滅多に人と行

き交うことのない雑木林でちょっと緊張した

出来事でした。

 

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コブシ(花)

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雨上がりの晴天でハクモクレンとコブシの花が

満開になりました。

時期は、ほぼ例年通りです。どこの地方でもハ

モクレンの後にサクラが咲く。これが自然界

の約束のようでサクラの蕾も膨らんでいます。

ハクモクレンとよく似た花に、コブシがありま

す。両方ともモクレン科の樹木で花の咲く時期

もほぼ同じ頃、パッと見た感じは同じ花に見え

ます。特に蕾が開くまではそっくりです。

コブシは、日本原産の落葉広葉樹です。

ハクモクレンと比べるとコブシの花の方が、や

や小さく、全開になっても花弁の根元がくっつ

いていることや開花した花のすぐ下に小葉がつ

いていることで見分けます。また樹形の印象も

コブシの方が全体的に華奢な印象を受けます。

元々は、山地のやや湿った場所に生える木でし

たが、最近は落葉が少ない点が好まれ、都会の

公園や街路樹としても人気があります。日本原

産のモクレンということで英語では、Kobushi

magnolia と呼ばれます。

コブシは、ハクモクレンよりも花が咲き進むの

がユックリです。ハクモクレンが、散ってサク

ラが咲き出してものんびりマイペースで花を咲

かせ続けています。何かと気忙しい春に、自分

のペースを守ることを思い出させてくれる花が

コブシです。 

 

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ウメ(花梅)

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日本列島の各地からサクラが満開の便りが聞

かれる頃、我が家の庭ではハナウメが満開に

近づいていました。

八重咲の花は、ぽってりとしてほんのり紅色

の小さなお餅を散りばめたようです。

この梅の木は、父が、将来たくさんのウメの

実がなることを期待して越して来たばかりの

頃、植えたものです。

ところが、花はきれいでも実はゴツゴツして

硬く、梅干しにしてみても美味しくならない

ことがわかってガッカリしたのです。

子供の頃からおやつに梅干しを食べていた、

というほど梅干しが大好きな父にとっては大

ショックだったようです。植木屋に騙された

などと悪態をついていますが、どこかで品種

のラベルの入違いがあったのかもしれません。

梅干しには向かないと判明した頃には、梅の木

はしっかりと根を張っており、今さら引き抜く

ことも出来ないので毎年、花を楽しむだけにな

っています。

暑い最中、梅干しを漬ける作業は、老いた母に

は重労働です。私も手伝っていますが、いつま

で続けられるかわかりません。何事にも執着が

激しい父ですが、母のことを思うとこれで良か

ったのでは?と内心、私は思っています。 

 

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ヒヤシンス(花)

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庭のヒヤシンスが、咲き揃いました。

母が毎年のように植えた球根と水栽培で楽しん

だ後、植えたものなどです。何年も植えっ放し

なため段々痩せてきたのか、どれも背丈の短い

サイズです。

ヒヤシンスは、部屋の中で水栽培するとむせ返

るほどの強い香りを持っていることに気付かさ

れるのですが、屋外ではほとんど香りを感じる

ことがありません。なんだかそれじゃ勿体ない

気がして2本くらいなら香りもほどほどでは?

と両親の寝室と自分の部屋に小さなガラス瓶に

活けておきました。

香りは、計算通りほど良い感じになってフッと

した瞬間に香って来るように調節出来ました。

大満足で早々に寝床に入って熟睡。早く寝すぎ

て4時頃目が覚めてしまいラジオをつけてみる

とホーミーという中央アジア特有の歌唱法につ

いて話しているのが聞こえてきました。そのま

まウトウトしていると変な夢の世界へ。

以前住んでいた場所のバスに乗ろうとしている

のに運転手はロシア人女性のような外国人、運

賃を払おうとするとお金の単位が聞いたことの

ないものでおつりの計算も間違えています。他

の乗客に聞いてもわからないと言うばかり。焦

っているうちに目が覚めたらいつもの起床時間

の10分前。

似たような夢を前にもみたことを思い出して自

分の潜在意識がヒヤシンスの香りに呼び覚まさ

れたのだなぁと思った朝でした。 

 

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ツクシ

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ようやくツクシを見つけました。

オオイヌノフグリの群落に混じってソロソロ

出番かな?っといった感じで生えています。

まだ丈が短いところを見ると出始めたばかり

なのかもしれません。

風がない日は、田んぼの周囲は燦々と日が当た

り、本当に暖かくなりました。まだサクラは、

咲きませんが、ユックリと春が近づいているの

を実感します。昨日は、キジの鳴き声を聞くこ

とも出来ました。冬の間、何度か歩いている姿

は見かけたのですが鳴いたのは久しぶりです。

鳥たちも繁殖期に入ったのでしょう。

関東地方に住む友人のメールには、ツバメを見

かけたと書かれてありました。もうすぐこの田

んぼにも到着するはずです。あの矢のように飛

んで来る姿は、春を引き連れて来る勢いを感じ

ます。

ツクシをじっと見ているとなんだかキジの雌の

色に似ているなぁと思いました。離れて見ると

そこにツクシが生えているなんて全然気付かな

いほど地面に同化しています。キジの雌も突然

目の前から飛び出して来ることがあって驚かさ

れることがあります。

神様は、命をつなぐ役目を担うものに地味な衣

を与えたようです。生きて行くことは、地味の

積み重ねなのだなぁ。

 

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今日の空81

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急に空気が柔らかくなったように感じた日、

空には3機分の飛行機雲が現れていました。

天気が良く、風も弱いので気温がドンドン上が

ってこれまでとの違いに身体が戸惑うほど。

父は10年ほど前に大腸ガンの手術をして以来

トイレに滞在している時間が長くなりました。

あまりしつこく聞くのもどうか、と思い詳しい

ことはわかりませんが、自分なりの作法がある

ようで、日に何回もトイレに通っています。

便秘にならないように、と医者に注意されてい

るので弱い下剤のような薬も飲んでいます。

でも、人間の体は機械ではないので日によって

調子に波があります。最近は身体の衰えも加わ

って失敗してしまうことも多くなりました。

それは仕方がないことだと母も私も思っていま

すが、本人が一番落ち込んで気にしています。

従って外出する際は、とにかくトイレが順調に

済まない限り何事も始まらないのです。

朝から良く晴れた暖かなこの日、珍しく早い時

間に散歩の誘いがありました。あれ、トイレは

済んだのかな?いそいそと杖を出したり、コイ

のエサを準備して張り切っている様子を見て、

ここにも春が来ている、と気づくのでした。

ハコベ(花)

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今年もハコベが咲く季節となりました。

小さな小さな花ですが、なぜか心惹かれてしま

う花です。

春の草むらをのぞけばどこにでもある野草です

が、ネット上で苗が売られているのにはビック

リしました。小鳥を買っている人からの需要が

あるようです。本当に今は、ネット販売で何で

も手に入るのですね。

先日、半年ぶりくらいで夏の散歩でよく出会っ

ていた猫ちゃんに会いました。もう忘れられて

しまったかな?と思ったのですが、声をかける

といそいそと近くに来て目の前でちんまりとお

座りしてくれました。首輪には、小さな鈴とネ

ームプレートがついています。

猫は、温かい所が好きなはずだからそれだけ外

も温かくなったのだなぁと思いながらまたね、

と別れました。

犬か猫をまた飼いたいな、と時々思います。

でも、これから2人の老親の方に益々エネルギ

ーを取られることを考えると難しいなぁと思っ

てしまいます。

小さな生き物でもそれぞれは大事な命。無責任

には出来ません。ハコベの星のような花を見な

がらそんな風に考えています。

 

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ネコヤナギ(花)

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そろそろネコヤナギがフワフワになった頃だろ

うと隣の山まで行ってみました。

ところが思ったほど大きなフワフワにはなって

おらずガッカリ。

昨年の春も同じような感じでしたが、今年も春

というのに雨量が少なく、そのため草木の芽吹

きがあまり進みません。

この辺り特有の気候なのかもしれませんが、日

照時間が少ない割にはまとまった量の雨が降ら

ないのです。年中、霧のような靄のような白い

ものが漂っているというのに…

ネコヤナギは、本来暖かく湿潤な環境を好むヤ

ナギの仲間です。大抵は、川や池などの近くで

見る樹木ですが、私が見に行くこのネコヤナギ

は、住宅用の造成地の真ん中に生えています。

山の上に切り拓かれた造成地のほぼ真ん中に家

のまだ立たない空き地が残されていてそこに種

が飛んで来て自然と生えたようです。

月日が経って周囲はすっかり家で囲まれてしま

いました。種が飛んで来た時は湿潤な土地だっ

たのかもしれませんが、今はアスファルトに覆

われた乾いた土地です。

諸行無常は、自由という花言葉を持つネコヤナ

ギでも例外ではないようです。

 

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ヤブツバキ(花)

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ヤブツバキは、冬の間も少しずつは咲いていま

した。

一輪開くのに長い期間かかってユックリとやっ

と開くといった感じでしたが。 

ところが、最近は開花のペースが上がっていま

す。次々と開いては落ちるを繰り返して賑やか

です。メジロなどの小鳥が蜜を吸いに来るのに

合わせるように花を咲かせています。

ツバキの咲く場所は大抵、少し薄暗いです。

日当たりの良い場所は、他の木々に譲って自分

はここでいいよ、と言っているかのよう。

古くから日本にあるツバキは、日本から中国へ

渡ったと言われています。多くの草花と逆のコ

ースを辿って広まっているのです。

日本人が、日本の花はサクラだと思うようにな

ったのも実はそれほど古い話ではなく、本当の

意味ではツバキこそ日本の風土に根付いている

花なのかもしれません。

雨上がりにツヤツヤと葉を光らせて咲くヤブツ

バキは、厳しい冬が終わってどこかホッとして

いるような、そんな気配を感じる花です。

 

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タネツケバナ(花)

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しばらく空き家になっていた家の庭先に大好き

タネツケバナが一面に咲いていました。

道路に面した庭の南東の一角は、日当たりが良

く、夏はちょっとした藪のような状態でしたが

今は、草も刈られて冬の最中でもホトケノザ

いち早く咲くような場所。

新しい住人の方は、あまり庭に感心がないよう

で、いつも奥のサンルームも大抵カーテンが閉

まったままです。

この場所に植物を植えればどんな種類でもきっ

とすくすくと育つだろう、と思う環境ですが、

自然にまかせたままになっています。お蔭で、

私は、前を通る度に心置きなく庭の草をじっく

り観察出来るのです。 

丁度、私の目線と同じくらいの高さの庭は、ど

うぞご覧くださいと言った感じで草花が並びま

す。空き家だった間に様々なタネが運ばれて来

たようで、ホトケノザタネツケバナ、ヒメオ

ドリコソウの次にはどんな野草が顔を出すのか

いつも楽しみにして通るのです。 

 

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