淡々と・・・

淡々と過ぎていく日々、心にとまったひとこまを写真と短文で綴っています。

ヤブデマリ(実)

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木々の葉が生い茂った雑木林は、すっかり暗

くなりました。

その中で見える赤いヤブデマリの実が鮮やか

です。もっと近くて見たいのですが、イノシ

シ除けの柵があったり、高い場所に実がつい

ていたりでなかなか近づけないのがもどかし

いです。

花のころは、ガクアジサイによく似た白い花

が沢沿いに良く目立っていましたが、実は赤

くても透明感がないため光らず、熟して黒く

なったものは雑木林の風景に溶け込んでいま

す。あんなにたくさんの花があったのだから

実もたくさんあるはず、と思って探すのです

が、鳥たちについばまれるのか思ったほど見

つけられずいます。

暑さが、突然途切れて曇天となり雨が降りま

した。暑過ぎるのも苦しいけれど、急にハシ

ゴをはずされたような肌寒い空気も苦手。身

体は正直で少しノドが痛み、鼻水も出る。慌

てて市販の風邪薬を飲むと今度は眠くて眠く

て耐えられない。

兎に角、早く治さないとやっと取れたコロナ

ウィルスの予約日が、迫っているのだから。 

 

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オオハンゴンソウ(花)

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オオハンゴンソウが目につくようになると私

の住む地方も夏本番です。

比較的湿った土地を好むため、湿原、田んぼ

などでよく繁殖しています。

この花も特定外来生物に指定されており、ほ

ぼ日本中で定着しています。寒さにも強く、

北海道の湿原、日光の戦場ヶ原などでも貴重

な湿原植物を押しのけて大繁殖を続けている

そうです。インターネットで検索すると各自

治体が駆除のお願いを呼び掛けているページ

がヒットします。

オオハンゴンソウは、北米大陸原産の植物で

この花の仲間はルドベキアという名前で花屋

さんでも売られています。鮮やかな黄色い花

は、ヒマワリと同じくらい夏の日差しに映え

明治時代に園芸植物として持ち込んだ人もま

さかこんなに繁殖力が強いとは思っていなか

ったのでしょう。今では庭で栽培することも

禁じられていますが、野生化したものは人間

が作った法律なんてお構いなしに自由に広が

っています。

私の住む地域では大繁殖はしておらず、夏に

よく見かける花といった程度です。真っ直ぐ

に伸びた茎の頂点に咲く花は、勢いがあり、

私は好ましく感じているのですが、手放しで

愛でることがはばかられる花で残念です。

 

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ヒメコウゾ(実)

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今の時期、雑木林では赤いキイチゴのような

実をよく目にします。

ちょっと前まではヤマグワの実をたくさん見

た同じような場所ですが、ヤマグワが熟すと

黒くなるのと違い、この実は朱色ぽい赤色で

す。モミジイチゴの実によく似ているので、

ここへ来たばかりの頃は、キイチゴの一種だ

と思っていましたが、この実は、ヒメコウゾ

の実です。

ヒメコウゾは、春、サクラが終わった頃、花

を咲かせますが、その花は大変地味です。雌

花と雄花とも球状の花ですが、花ではなく実

かな?と思うような形態をしています。

花が咲いて3ヵ月ほど経つと赤い美しい実が

雑木林で目立つようになります。食べられる

と聞いたので試食してみるとちょっとヌルヌ

ルした食感で甘い味でした。ただ多くの人の

意見では桑の実の方が圧倒的に美味しいとい

うことです。

ヒメコウゾは、和紙の原料になっているコウ

ゾの片親だそうです。カジノキとヒメコウゾ

の子供がコウゾとのこと。両者をかけ合わせ

て更に上質の紙を作ることを目指したのでし

ょうか?

同じ和紙の原料になるミツマタは、花が可愛

いらしいので庭木にもなっていますが、ヒメ

コウゾは雑木林で赤い実を光らせて地道に鳥

たちの命を支えているのです。

 

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クレオメ(花)

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クレオメの花を真上から見ると長い雄しべ

が、花の周囲を取り囲んで猫のヒゲのよう

だなぁと思いました。猫のヒゲは、こんな

にたくさんないでしょうけど。

私が、いつも見ているクレオメは、空いて

いる畑に毎年咲きます。多分、前年のこぼ

れ種から増えて咲くのだと思われます。春

のクロタネソウが終わって、種が出来た頃

入れ替わるように咲き始めます。

近所の農家の方は、田んぼが主で畑は自分

の家で食べる分くらいを作っているだけの

ようです。そのため畑の多くは、あまり活

用されておらず、家庭農園をする人に貸す

だけであとは、放置されていることが多い

です。

放置された畑はあっという間に雑草に覆わ

れて夏草が茂り放題ですが、たまに花が好

きな人がいる家では季節の花が植えられて

いるので私も散歩の時に楽しませてもらっ

ています。

剣のようなグラジオラス、花期の長いヒャ

クニチソウ、秋が近くなると咲き出すケイ

トウ。多分お仏様の花を絶やさないための

工夫から花を植えているのでしょうが、高

齢の女性が早朝庭を丁寧に見回っている姿

を遠くから眺めていると日本版ターシャ・

テューダーがそこにいるのではないか、と

思えてきて不思議な錯覚を覚えるのです。 

 

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ネムノキ(花)

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ネムノキは、夜に葉が合わさって閉じる就眠

運動しますが、早朝には葉が開いています。

ネムノキが、属するネムノキ属のほとんどは

本来は熱帯に多く分布していますが、日本の

ネムノキは、その中で飛び抜けて耐寒性があ

ります。

私の住む北国では6月頃まで裸木で枯れてい

るのではないか、と心配になるほどなかなか

葉が芽吹かないのですが、梅雨入りする頃に

なると急に葉が出て7月になると花が咲き出

します。成長も早くあれよあれよという間に

大きくなり、高い場所に花をつけます。その

ため、高い場所から見ると優しいピンク色の

花がそよぐのが楽しめます。

ネムノキは、先駆種と呼ばれる荒れ地に最初

に侵入してくる植物です。川を流れてきた種

が岸辺で根付き、他に大きな木がまだいない

日当たりのよい場所でグングン成長します。

秋に落葉すると落ち葉が周囲の土を肥やし荒

地を年々肥沃な土地に改良していくのです。 

ある程度土が肥えてくると別の植物が周囲に

生えるようになり、クズなどのツル性の植物

が日陰を作るようになるとネムノキは枯れて

しまいます。

でも、その頃には、新天地に旅立った種が、

次世代として育っているので心配は無用で

す。 

  

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稲田

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梅雨の間に成長したイネは、今、水面が見え

ないくらい青々としています。

その様子は、広角で見るときれいに整えられ

たサッカーコートのようだなぁと思います。

青々としたイネの下は、実際はズブズブの泥

ですからサッカーをすることは出来ませんが

なんとなくそんなイメージが浮かびました。

これから10日ほどの間にイネは、急速に太陽

のエネルギーを蓄えて穂が出て花を咲かせま

す。スギ林の濃い緑と雑木林の濃淡が入り混

じった緑が見守る中でグングン成長していき

ます。

朝、田んぼには霧がかかっています。

太陽が昇り、少しずつ空気が温まるにつれて

霧は晴れて風が吹き始めます。

日中の田んぼは、イネが本来熱帯地方の原産

であることを思い出させる暑さです。

ジリジリと鉄板で焼かれているように暑く、

生き物たちはどこか涼しい場所になりをひそ

めしまいます。そんな中でもイネは萎れるこ

とはありません。時折り田んぼの中を風が走

り去るのを波打って私たちの目に見えるよう

にしてくれるだけなのです。

  

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シシウド(花)

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あぜ道を歩いているとシシウドの花が咲いて

いました。

シシウドは、セリ科の植物で白いレース状の

花を傘状に咲かせます。一方似た名前のウド

は、ウコギ科で小さな花が、初秋に球状にか

たまって咲きます。昨年まで私は、ウドの花

もシシウドの花と同じだと信じ込んでいまし

たが、間違っていました。

シシウドの仲間は世界中にあり、日本でも健

康食品として名高いアシタバなどもよく似た

花を咲かせます。強剛なため、冬場にイノシ

シが掘り返して食べるくらいなもの、といっ

た意味でこの名前がついたといわれています

が、繊細な花を見るとシシは似合わない気が

します。比較的湿り気の多い場所を好み、傘

状に開いた花たちは、花火のようにも見えま

す。

雨ばかりの1週間が終わったと思ったらあっ

という間に梅雨が明けてしまいました。

この辺りは、雨の量もそれほど多くなかった

ので災害に遭われた方には申し訳ないほどあ

っけない梅雨明けでした。

でも油断してはいけないそうです。年によっ

ては、梅雨前線がすぐに秋雨前線になって下

りて来て、8月が、ずっと長雨と低温で終わ

る夏があると父が話しています。

どうか何事も程々にバランスがとれた日々で

ありますように!

 

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キノコ19

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急に暑くなったので雑木林のキノコたちは

次々と消滅しています。

梅雨明け直前までたくさんの種類のキノコ

が出ていたのですが、連日30度を越えてき

たため、あるものは傘がおちょこになるほ

ど開いて倒れていたり、大きくなりすぎて

自分自身の重みに耐えきれず崩れているも

のもあります。

この調子では、今年は、タマゴタケは見ら

れないだろうなぁとガッカリして歩いてい

るとなんと!視線の先の木の腐りかけた切

り株に小さなタマゴタケがありました。

丁度、朝の光が当たってその場所が光って

見えます。朝から暑く、フラフラしながら

散歩に出たため、途中で転んだりしながら

歩いていたのですが、やっぱり散歩に出て

良かった、と思いました。

今回タマゴタケを見つけた雑木林は、昨年

見つけた場所とは道路を隔てて反対側の雑

木林でした。きっと、昔は1つの雑木林だ

ったのでしょう。

今日も良いことがあったなぁと自己満足に

浸りながら家路についたのでした。

 

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ノウゼンカズラ(花)

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ノウゼンカズラの花が、咲き始めたのでそろ

そろ梅雨明けか、と期待していたらやはり梅

雨が明けました。

明けたと思ったらもの凄い暑さでびっくり!

というかグッタリ。

我が家にはノウゼンカズラはありませんが、

周囲の家では結構植えているところが多く、

この時期、歩いているとよく見かけます。

母は、最近のノウゼンカズラの花色は毒々し

いと言います。昔はもっと淡いオレンジ色だ

ったようです。園芸の世界は、かなり日進月

歩ですから濃いオレンジ色の品種が流行りな

のかもしれません。

ノウゼンカズラは、花の感じから南国を思わ

せ、寒さに弱いのでは?と思っていましたが

案外丈夫で私の住む北国でも平気です。冬の

間は葉を落として枯れ木のような様相ですが

春になると葉とツルを伸ばし急成長します。

あまりに丈夫なため庭に植えてはいけない植

物という不名誉なウワサまでたっています。

確かに旺盛な生命力を感じる植物ですが、適

切に剪定さえしてあげれば、夏の花が少ない

時期は貴重な彩りとなってくれます。

慣れない暑さにグッタリしている我が家の面

々は、ノウゼンカズラから元気を分けてもら

えると良いのですが。

 

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ギボウシ(花)

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我が家の庭のギボウシは、まだ蕾ですが、散

歩中に早咲きのものが咲いているのを見かけ

るようになりました。

ギボウシは、たくさんの花が一列になって咲

くのですが、1つ1つの花に近づいてよく観

察するとユリの花に大変よく似ています。

だいたいの花は、白から薄い紫色の花ですが

ストライプやグラデーションなど千差万別の

模様を持っています。また、葉も様々な模様

が入ったものが多く写真の株は、葉の輪郭に

沿って白い縁取りが入っていました。

このところ雨の日が続き、近所の散歩しか出

来ませんでしたが、庭ごとにそれぞれの個性

があって、1つとして同じ庭はないのだなぁ

と感心しています。多くの庭の中には、庭中

をコンクリートやタイルのようなもので覆っ

て一切雑草が生えないようにしている庭もあ

ります。 それはそれで持ち主の事情ですから

とやかく言う筋合いはありません。

私自身は、ズボラな性格もあって適度に雑草

が生えた野原のような庭が、好きです。

薄紫色のギボウシが、草むらからすらっと伸

びた夏の庭は涼し気でホッとするのです。 

 

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